広く
シナリオ・センター代表の小林です。5月中旬だというのに全国的に雨模様。異常気象なのかはわかりませんが、コロナイライラが倍増しそうです。
非常事態が続いて、気持ちが荒んでしまうのでしょうか、あちらこちらで悪口というか人的攻撃が増えてきています。
どうも、人間の心というものは、他人を攻撃すると、自分の心の平安を一瞬図れるものらしいです。一瞬ですよ、一瞬。
戦時中の特高や警察、隣組だったりがそうです。今だと、コロナになった方を中傷したり、医療従事者やご家族を誹謗したりする人、問題にされている入管施設の対応も同じでしょうか。
自分より体や立場や様々な部分で弱い人間をちょっとなにかあると攻撃する、悲しいことに誰もが持っている人間の性なのかもしれません。
そうしたものを御すことが人間として大事なことだとは思うのですが、私は自分より強いもの、権力・権威を持っているものに対しては、批判してもいいと思っています。
何故なら、行使できるものを持っている人には、それしか声をあげようがないからです。
だからこそ、強者、権力・権威を持っている人こそは、常に謙虚に他人の話しに耳を貸す人でなくてはならないのだと思っています。
上に立つ者が、好き勝手にやってしまったら、秩序もへったくれもなくなってしまいますから。
人はみな違うのですから、違う考えや意見、生き方があっても当たり前だと、広い心を持ちたいものです。
空翔る虎
コロナ蔓延の中、頑張ります、劇団青春座。
どうするか迷われたようですが、5月29日、30日上演します。
九州の皆さん、北九州芸術劇場中劇場へ、是非ともお出かけください。
上演作品は、出身ライターの葉月けめこさん脚本「空翔る虎」。
劇団青春座さんは、1945年に九州の地域文化推進のために始められました。
青春座さんのすごさは、劇団員は“良き社会人たれ”をモットーに、徹底したアマチュア精神の市民劇団だということです。
だからこそ、76年という長きにわたって今もなお多くの市民の方々に支えられています。
「空翔る虎」は今回で238回公演となる舞台ですが、これは郷土シリーズとなります。
北九州市をはじめ九州・山口を題材、また地元出身の作家を起用していくシリーズで、今回の「空翔る虎」はじめ、「無法松の一生」「白洲灯台」「小倉祇園事始」「杉田久女」「杉山貞」「小倉城の女たち」「白蓮と伝ネム」「女たちの壇ノ浦」「高杉晋作」「ゼロの焦点」「わるいやつら」「若戸大橋物語」「戸畑祇園ヨイトサ」「松本零士物語」「シーナ」「風花帖」等あり、葉月けめこさんの描かれた「シーナ」はこれが縁でテレビドラマにもなりました。
もうひとつ現在シリーズとして「演劇人は 常に社会の動きに敏感であるべきだ」という考え方で、さまざまな社会現象を検証しています。
主な作品は、原爆の「姉の言葉」、交通問題の「狂った季節」、公害問題の「ある町の高い煙突」、わたぼうしコンサートの「たんぽぽの詩」、老人問題の「走れ!ウラシマオー」、「最後の遺言状」、リビングウイルの「時の贈りもの」、離婚問題の「さよなら、あなた…」感染症の「バードウイルス来襲」、終活の「エンディング・ノート」などがあります。
地域活性、社会の鋭い視点を持つことは演劇人としてとても大事なことだと思います。
葉月さんだけでなく、 シナリオ・センター講師の柏田道夫、出身ライターの橋本和子さんも多く作品を描かせていただいていることがとても嬉しいです。
演劇人として、人として一本芯の通った劇団青春座さんの活動は 、本当に賞賛に値するもので、劇団としてのあるべき姿だと思っています。
「空翔る虎」は、「飛行機が本当の力を発揮するのは戦争やない。人々の暮らしを豊かのするためや」。
大正14年日本初の訪欧大飛行を成し遂げた河内一彦のお話しです。