コロナに熱中症

シナリオ・センター代表の小林です。明日金曜日まで7月の授業を行いますが、スタッフもテレワークでzoomゼミをさせていただきます。
7月31日は5週目になりますのでお休み、8月1日から8月8日まで夏休み、8月9日は山の日でお休みという長のお休みをいただきます。
8月は、例年通り3回授業ですので、8月10日火曜日から授業開始、作品は4本提出することができます。

夏にこんな長いお休みは初めてのことです。
ですが、オリンピックの最中は新国立競技場に近いシナリオ・センターとしては、危険回避（オーバーな言い方？）ということで、オリンピック開催中を夏休みにあてさせていただくことにしました。
幸いと言えるかわかりませんが、お盆帰省するスタッフが今年は皆無で、むしろ帰らないでと言われたそうなので、1週目を夏休みとさせていただきます。
コロナ禍で色々と変更が多く、zoomゼミも随分と続いていますが、今日は東京感染者3865人、日々増え続ける感染者数に、この判断は間違ってはいないのではないかと。
悲しいことですが、今は命を守ることを優先して、「感性しない感染させない」を徹底していきたいと思っています。

表参道シナリオ日記も、明日から長のお休みをいただきます。
長い休みだというのに出かける予定は、唯一1日、東京国立博物館のみ。
奈良桜井からおでましの聖林寺十一面観音に会いに出かけます。
奈良でお会いしたときは、後ろ姿は拝見できなかったのですが、東京では拝見できるとかで楽しみです。
予約制なので混雑はないとは思いますが、外に出るのはこれだけです。（笑）
皆様、コロナに、そして熱中症に気をつけてくれぐれもご自愛の上、お過ごしください。
元気なお顔で8月にまたお会いしましょう。

夏休みの宿題

で、私から皆様へ夏休みの宿題です。夏休みの課題「徹底した調べもの・シナリオハンティング」
休みだからこそ、外出できないからこそ、できることをやっていただきたいです。

ドラマ誌8月号は、出身ライターの吉田紀子さん脚本の「その女、ジルバ」が掲載されてされています。ご覧になられましたか。
すごく面白く、素晴らしい脚本でした。
1月の深夜ドラマでありながら視聴率も良く、第47回放送文化基金テレビドラマ番組奨励賞、第58回ギャラクシー賞テレビ部門選奨受賞と話題のドラマでした。
私も毎週土曜日の11時40分を待ち焦がれながら、拝見していました。

何故、面白かったのか、吉田さんがドラマ誌に書かれていらっしゃるドラマづくりの根っこを拝読して、よーくわかりました。
そこだ！ドラマ作りとはこれだ！と思い、皆様に提案したいと思いました。
「その女、ジルバ」は、原作は漫画です。
3行ストーリーで言えば「私生活にも仕事にも希望が持てない40歳独身の女性が、平均年齢70歳以上のホステスしかいないバーで働くことで、パワーをもらい生き方を見つめ直す」というお話しです。
が、バーOLDJACK&ROSEの初代ママジルバのブラジル日経移民の話、現ママの壮絶な戦争体験の話、さらには東日本大震災被災も絡んで壮大な叙事詩となっています。
その大変な原作を読まれて吉田さんは、ドラマにするには絶対無理と思われたそうです。
で、どうされたかというと、
「まずやったのは、『日系ブラジル移民史』の読破。それからブラジルに関する資料収集。ドキュメンタリー、写真集、小説など片っ端から集め、さらに戦中戦後の日本史、戦災孤児、ダンスホールなどの風俗史、東日本大震災に難する資料の読み込み。
その上で、現在40女たちの職場のリサーチ。それらが終わり、今度はジルバとバーの履歴作り。ジルバが生きていれば百歳。作りました百年分の年表と履歴。
戦後5年で開いたバーは、昭和平成を経て令和に至るまでにどんな変遷をたどったのか。ジルバはどんな生き様だったのか。
それらを自分の中に落とし込まなければ、書けませんものね、シナリオは。
さらに、主な登場人物の履歴作り。
その作業を終え、ようやくスタートラインに立った時は、撮影がすぐそこに迫っていたのでした。」（ドラマ誌8月号から抜粋）

ドラマ作りというのは、単に奇抜な設定でも、ストーリーを転がすことでもありません。。
3行ストーリーで言える話がストーリーで、吉田さんが準備して描かれたものがドラマなのです。
この夏は、シナリオS1グランプリはじめ多くのコンクールの挑戦しようと思われている方が多いかと思います。
吉田さんのドラマ作りの根っこを心にとめて、コンクール作品を描いて下さい。
小手先で描いたドラマは心を打ちません。
夏休みの宿題で～す。