シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。自分の畑ために必要なものはなにか・・・雨もそのひとつ。今日は恵みの雨になっているでしょうか。
昨日、落語家でありお医者様の立川らく朝さんを迎えてのミソ帳倶楽部が行われました。
ここのところ、監督やプロデューサーの方々のお話が続いていたので、久しぶりミソ帳倶楽部らしいゲストをお呼びしました。
「ミソ帳倶楽部らしい」というのはどういうことかというと「ミソ帳」はネタ、アイデアを書きとめるノートですから、そのページを増やせるようにしたいなあというところから始めたんです。
なので、業界の方々のお話はもちろん為にはなるし、モチベーションも高まるので大事ですが、自分と違う世界や知らない世界を垣間見える取材したいような方々をお呼びするのもとても大事だと思っています。
受講生の方々は、業界の方々との出会いを大切にする傾向がありますが、出会いだけでは、プロの道につながらない・・・大事なのはシナリオ力ですから、たくさんのアイデア、ネタ、一味違った発想をつけておくことが必要です。
そのためにミソ帳倶楽部を利用して欲しいと思っています。視点を磨いてください。
立川らく朝さんは、立川志らく師匠のお弟子さん、亡くなった談志師匠から二つ目を許され、落語家と医者の2足のわらじで活躍されています。
表参道、シナリオ・センターから数分のところでクリニックをされており、院長先生でもあります。
でも、ウキウキしている方に重心を置いているとのことで、今や95%落語家として活躍されています。
46歳で落語家になり50歳で二つ目昇進。志らく師匠のかばん持ちをしていると、師匠の方が10歳も下でお若いので、らく朝さんが師匠だと勘違いされることもしばしばだったそうです。(笑)
私は初めて知ったのですが、真打にならないと一人前とみなされないのかと思ったら二つ目で一人前、なにやってもOKなのだそうですね。
落語家の世界は厳しく、前座は人権、人格なし、24時間勤務。(涙)でも、二つ目になるとばーんと待遇が違う。なにをやってもOKの二つ目になれたときのほうが真打になれたときより、落語さんたちは数倍嬉しいのだそうです。
落語の世界は「士農工商犬猫AD前座」といわれるそうです。映像の世界は「士農工商AD脚本家」と思っていますけれど。(笑)
二つ目になると、師匠と別に何でもできるとお聴きして、びっくりしました。新作落語を作ってもお伺いを立てる必要もないのだそうです。
私は、二つ目さんは、前座からちょっと格が上がっただけなのかと思っていました。こういうことは、お聴きしてみないとわからないもんです。
らく朝さんは、ご自分の2足のわらじを活かして、健康落語、ヘルシートークなどの新作落語を作られています。
ご自分の強みを活かして、これこそ2足のわらじの使いようでしょうか。
7月10日「らく朝築地独演会」があります。料理評論家の山本益博さんをゲストに、古典と健康落語を演じられます。ここでも驚いたことに、山本益博さんは、桂文楽師匠の研究家で、卒論「桂文楽の世界」が出版されたのがきっかけで評論家になられたとか。知らなかったなあ。なんでも、聞いてみるものですね。
「ミソ帳倶楽部」では、質問コーナーを設けていますが、ドンドン質問して取材力もつけていただけたらとも思います。取材のうまさは、事前の勉強と聞く力。
何でも力にしましょう。