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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

アンテナ

受賞掲示板(今回のではありません)

小三治師匠のまくら

シナリオ・センター代表の小林です。
新たな内閣ができたと思ったら、国会での論議もそこそこに、明日衆議院解散。
またまた国民を無視して、自分たちのことだけに熱中する数週間となるのですね。
コロナ感染者がとりあえず減っていることだけがまだしも幸いというところでしょうか。
どなたが私たちの声に耳を傾け、ちゃんと数字としてではなく一人の人間として顔を見てくれる人なのか、しっかりと目を凝らし、耳を澄ませて間違いのない人を選びたいものです。

私が拝見した小三治師匠の最後の舞台で小三治師匠とトークショウをされていた落語プロデューサーの京須偕充さんが追悼文を書かれていました。
「21世紀になって柳家小三治の高座はさらに変化をとげてきた。
『まくら』はますます拡大して月並みなストーリーを述べる段階を捨て、自分個人の思いや感想を素直に述べて笑いを誘う境地に入っていた。
売れっ子の若手がギャグを乱発して人気を稼ぐのを尻目に日常の中の非日常を見つける手法で、人間を、世の中を自由に語る。
そんな誰もが発見できなかった人間落語を、あるいは落語人間を日常に見つけて、それを高座で語る。
そこに生きがいを見つけたのかとも思う。(略)
十代目柳家小三治のような、人間を語る、己を語る名手は過去に例がないのではないか。」と語っていました。(朝日新聞10/12より抜粋)
私は、まくらでの小三治師匠のその時代のものごとを捉える視点が、古典落語の導入と常につながっていたから、同じ演目を何回お聴きしても面白かった、その時々で違う感覚で楽しませてくれたからではないかと思っています。
創作も生活も全てにおいて、自分の視点をきちんと持ち、研ぎ澄ませていくことがとても大事なことなのではないかと、小三治師匠を失って、より感じました。合掌。

創作テレビドラマ大賞

嬉しいニュースが入りました。昨今暗めのニュースが多かったのでとびっきり嬉しいです。
第46回創作ドラマ大賞、大賞と佳作、お二人が受賞されました。
 大賞    竹川春菜さん『月食の夜は』(通信本科)
 佳作一席  武田雄樹さん『塔の三姉妹』(通信作家集団)
おめでとうございます。

佳作を受賞された武田さんがご報告においでになり、喜びの声を。
武田さんは、シナリオ・センターにある受賞掲示板に飾られるまでは、ぜったいやめないと思って頑張っていらしたと。
そうです。書き続ければ必ず結果が出るのです。
本当に本当に、よく頑張られました。おめでとうございます。

シナリオ式エッセイの書き方講座を千代田区で行っており、明日は2回目の講義をさせていただきます。
1回目は素材の見つけ方のお話をさせていただいたのですが、2回目は伝わる書き方をと思っています。
うまい文章は、まさに小三治師匠のまくらのように、自分の想いや感想を聴き手が共感するように、話しをもっていく。
小三治師匠のまくらは、どの会場でも、聞き手が頷きながら笑うんですね。
あまり考えずに読んでいたのですが、小三治師匠のまくらの本は上質なエッセイでした。

オリエンテーションで、課題があるとそこにアンテナが出て、今まで見えなかったり聞こえなかったりするものをキャッチできるというお話をします。
今まであまりエッセイに特化したことがなかったのですが、シナリオではなくエッセイの講義ということで、急にエッセイと色々なものがつながりだしました。
久し振りに向田邦子さんのエッセイを読み返したり、小三治師匠の落語と繋がったり、文藝同人誌のエッセイに目がいったり・・・。
今さらながら受講生の皆さんに申し上げていることが、自分の中に落としこめた気分で、ちょっと愉快です。
皆さんに伝わるお話しができたらいいなと、レジュメを作っています。

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