秋深し
シナリオ・センター代表の小林です。秋が急に色濃くなってきた感じがします。
季節の移り変わりを楽しむ余裕もなく、ひたすら時が過ぎていったこの2年でしたが、なんとなく気持ちに余裕ができたのか、秋の移ろいを愛でている自分に気がつきます。
ヨーロッパなどを見ていると、このままコロナは終焉するのかはまだまだわかりませんから、心配は心配ですけれど、心の片隅に期待も膨らんできています。
楽しいことがなければ、やる気もなかなか出てきませんものね。
遠足も運動会も修学旅行さえなくなってしまった子供たち。一斉休校から不登校になってしまった子供が多いとききます。
友達とも接しにくく、楽しみがない学校生活なんて、やっていられないですものね。
環境が変わることは、誰にとっても負担の大きいことですから、まだ乗り越える術を持たない子供たちにはとてつもない負担になってしまっているのでしょう。
そのせいで、シナリオ・センターに、学校からのお声掛けが多いのかもしれません。
シナリオで想像の世界で遊ぶ創作の楽しさを少しでも味わってもらいたいと願っています。
子供だけでなく、世界の人々の気持ちが荒んでいるような気がしてなりません。
誰もが他人のことを考えずに自分のことだけ考えているような・・・。
コロナのせいだけではないと思いますが、経済が悪くなっているせいでしょうか。
「貧すれば鈍す」という言葉がありますが、戦争もこういうところから生まれるのです。
気をつけねば。
朝鮮通信使 雨森芳洲・誠信の交わり
出身ライターで講師の柏田道夫さんが、今年も九州の劇団青春座で新作の公演を行います。
「朝鮮通信使 雨森芳洲・誠信の交わり」11月20・21日北九州芸術劇場大ホールで。
朝鮮通信使って、ご存じでしたか。室町時代に朝鮮国王が日本に派遣した外交使節団で、通信とは、「信(信義)」を「通わす」という意味だそうです。
室町時代から始まったのですが、その後、ご存じの豊臣秀吉の朝鮮出兵で国交は断絶し、江戸時代になり、徳川家康が捕虜の返還から始めて、200年間に12回行われ、両国の平和的友好関係を維持し、文化の発展に貢献しました。
主人公の雨森芳洲は、滋賀県高月町生まれ、儒学者木下順庵に学び、対馬藩の朝鮮外交官として朝鮮との友好に尽くした人です。
中国語・朝鮮語(韓国語)に通じ、幕府の老中となった新井白石と同門で、喧々諤々意見を戦わせた仲で、このお芝居でも二人のやり取りが見ものです。
お芝居では、朝鮮外交が盛んな頃、忠臣蔵の起こった時で、赤穂浪士も出てきます。
雨森芳洲は朝鮮と、お互いに欺かず争わず、真実をもって通わすこと=「誠信」を実践した人です。
長浜・高月の芳洲の生家は、現在東アジアとの交流友好を深める「東アジア文化ハウス」となり、今も脈々と「誠信」は繋がっています。
今の日本と韓国は、民間ではつながっているものの、どうもお国同士では「誠信」ではないようで、悲しいですね。
実在の人物のお話は、歴史や事実を曲げることはできません。
歴史・事実の行間をドラマにすることが大切です。
行間こそに、時代を超えた人間を描くことができるからです。
柏田講師のこの「朝鮮通信使~雨森芳洲・誠信の交わり~」、歴史・事実の行間をどのように描いたか、楽しみに見ていただければと思います。