オミクロン
シナリオ・センター代表の小林です。やれやれ、またまた感染が広がってきました。
昨日の東京感染者は2198人、今日は、3124人。
来週は9500人を超えるのではという予想だそうですが、1万人といわないところがミソ?なんとなく中途半端な、いかにもこの2年続いた現実を見ようとしないコロナ対応に似て。政権がどう変わろうが、中途半端さは変化がないようです。
変化がないなんて、ドラマだったら、ゼッタイにあり得ないし、許されないですけれどね。
はっきりしたことはわからないウイルスとはいえ、専門家は、もっときっぱりとお上に進言すればいいのにと思います。
ここで起死回生しましょうよ、専門家もお上も。
オミクロン株は、重症化しないという一点でなんとなく大丈夫と思って行動されている方が多いのではないでしょうか。
発熱、咳、咽頭痛、息切れ、だるさ、関節痛、筋肉痛、頭痛が初期症状。
どれも当てはまるような気がしてしまいますし、日頃とそう変わらないとも思えて判断が難しく、気がつかないことがありそうな症状です。
シナリオ・センターは、検温、消毒をお願いしていますが、どんなにやっても決して万全とは言えません。
ちょっと怪しいなと思われたら、オンラインでのご受講をお願いいたします。
お互いに気をつけて、誰もが安心の生活ができるようにしましょう。
あずかりやさん~満天の星~
ああ、本当に良かった。ありがたい。
年の初めに、新たな年なのに、ちょっと躓きそうな今、心を休めてくれる、癒してくれる本が届きました。
出身ライターの大山淳子さんの人気シリーズ第5弾「あずかりやさん~満天の星~」がでました。
待ってました!
目の不自由な青年霧島透が店主のあずかりやさん。1日100円でどんなものでも預かってくれます。
1話「金魚」
親にも世の中に見捨てられた不遇な男が、偶然盗みに入ったのは、あずかりや。
手の甲の彫られた金魚の刺青。目がみえた最後に透が見た赤い金魚。
見えない透の対応に自分を取り戻す男。男の持つ万能ナイフは、男の心とつながっていた。
2話「太郎パン」
親父が一人で作る街の小さなパン屋さん。
焼きそばパンは、自分が売れるかどうか気が気ではない。
最後の最後に売れ残りのチョココロネなどと一緒に一袋にされ、素敵な紳士に買われるが、なぜか紳士はあずかりやさんにパンを預けて。なぜ、最後のひとつになったのか、この焼きそばパンは。
3話「ルイの涙」
マルチーズのルイは、やさしいママ可愛がられて過ごす毎日。
ルイの名前の由来はルイ・アームストロングではありません。ルイは・・・のルイ。
ママの涙をなめたり、ママに尽くすことを天命だと思って幸せに過ごしているルイですが、ある日を境に大好きなママに全く見向きもしてもらなくなり、ついにあずかりやさんに預けられる?。
4話「シンデレラ」
1000日前に預けたものを取りに来た女性。
そして、学校に持っていけないからとバレンタインの手作りクッキーを1日預ける女子中学生。
1000日預けた品物は?女子中学生のバレンタインが成功するのか。
大山さんの「あずかりやさん」シリーズで、いつも驚くのは構成と人称。
「金魚」は万能ナイフ、「太郎パン」は焼きそばパン、「ルイの涙」は犬のルイ、「シンデレラ」は亡くなった透のおじいちゃんが語ります。
透が主人公なのですが、透に預けられるもの、預ける人との心の交流が描かれるのですが、透が語るのではなく、いろいろなものたち、人たち、この人称こそがこのシリーズの肝です。
しかも、透は常に何かを悟ったように淡々としている、盲学校を卒業して祖父がやっていた和菓子屋を改良してあずかりやさんを始めたのも、ある意味謎のまま。
しかも、キャラクターとして、透のすべてはわからないのですが、盲目だという設定が物語をより深く魅力的にしているのです。
プロローグは、手紙の文面だけ。
それがどのようの物語と関わってくるのか、読んでのお楽しみですが、ホントにうまいんですね。
ものをあずけるのだけれど、実は誰もが抱えている心の傷や闇を、あずけやさんにあずけることで、誰もが心の平安を取り戻す・・・。
私自身、どのシリーズも読めば読むほど癒されましたが、こちらの心の持ちようもあるのでしょうか、今回は特にコロナ禍のストレスから解放されて、奥の方から私の毒が出ていく気がしました。
「あずかりやさん」はあなたの大切なものもあずかってくれます。
そう、この本にも前回行われた「あずかりやさんに預けてみよう!キャンペーン」で預かった読者の「大切なあずかりもの」が散りばめられています。
次回作にもあなたのあずけたいものを応募できます。(小説の最後に応募要項ありです)
前回、私の預けたいものは、あずかってもらえませんでしたが・・・。(笑)
大山さんの「猫弁シリーズ」などのご本は、どれもものの見方の、人への想いの深さ、やさしさが、作者の心がにじみ出ているのです。
「味は変わるわよ」
相沢さんはきっぱりと言う。
「焼き立てのパンと一日経ったパンは違う。焼き立てが一番とか、時間がたつほど味が落ちるとか、そういうことではないの。ただ、違うの」
店主は神妙に耳を傾けている。
「うちでひとりで食べるパンと、こうして桐島さんと一日経ったパンをふたつに分けて食べるのは大違い」(太郎パンから)
何度も何度も読み返しても、あらためて登場人物の魅力に新たな発見があり、魅了されます。
子どものころ読み聴かせしてもらった絵本のように。