声を出す
シナリオ・センター代表の小林です。1月17日は、阪神淡路大震災が起こった日です。あれから27年経ちました。
あっという間のことのようにも思えますし、どれだけ年月が経とうと、ご家族や友達を失われた方々の心の傷は、決して消えないのだろうとも思います。
風化するという言葉は本当にむごい気がしますが、今年は特にコロナがまた蔓延の兆しでもあり、トンガ火山噴火からの津波があり、北朝鮮のミサイル発射、また共通テストでの刃傷事件など、あまりに多くのろくでもないことばかりがありすぎて、なんとなく影が薄くなってしまいました。
過去を偲べないくらい今日の悲惨な話がありすぎるって、どういう世の中になってしまったのでしょうか、しんどい日々です。
昨日は、144期シナリオ作家養成講座の説明会でした。
寒い中、通学の方も多くいらしてくださり、オンラインの方とともに熱心に聞いてくださいました。
毎回申し上げていますが、シナリオは、俯瞰でものをみられる素晴らしい手段なのです。
すべての人が表現するという武器をもって、思うことを他人に伝える、言いたいことを、言うべきことに、声をあげるということは、この殺伐たる時代にとても大事な絶対に必要なことだと思います。
文化芸術は心を育てる大切なものなのですから。
表現方法はどんな形でも、個々の想いが届かないことが当たり前のようになってしまっては、それを容認してはダメだと思います。
「日本中の人にシナリオを描いてもらいたい」大きな声をあげたい、吠えたい寅年です。
声をあげる
岩波ホールが7月に閉館するのだそうです。
単館映画館の先駆けとして芸術的ないい映画を上映してきました。日本の映画文化を担ってきた伝説的な場所です。
でも、まさか、コロナに負けてしまいました。
岩波ホールの観客は、ちょっとお年を召した方も多かったので、コロナ禍では見に行くこともできなくなっていたこともひとつの要因なのかもしれません。高野悦子支配人が亡くなってしまったのも大きいかもしれません。
それにしても、小さな力をふり絞って生きてきたものが、どんどん消えていくというのは、なにか民主主義の崩壊をみるようで、不安な気持ちになります。
それでは、大きな声をあげようではありませんか。
出身の林海象監督のイベントが2月5日から20日まで渋谷のLIBRAIRIE6+シス書店で行われます。
「映画監督 林海象 二十世紀少年読本展」
1986年、まだシナリオ・センターにいらっしゃるときに作った映画「夢見るように眠りたい」でデビューした林海象監督。
監督第2作目の「二十世紀少年読本」の上映に加えて、公開当時に貴重な資料や写真家藤井春日によるポスター、CDなどの原画写真展示に、林階海象はじめ同作品に出演した佳村萌、イラストレーターの原マスミの作品も展示します。
林監督は、一昨年階段から落ちて意識不明の重体になられたのですが、リハビリを重ねて不死鳥のようによみがえられ、再び新しい作品に向かって動き出しています。
「二十世紀少年読本」「夢みるように眠りたい」の上映後、2月12日(土)16時から役者で劇作家の高泉順淳子さんと、2月19日(土)16時から「遠雷」「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」の監督、現東北芸術工科大学の理事長の根岸吉太郎監督と林海象監督との対談もあります。
映画監督になりたい、映画の脚本を書きたい、面白い映画が見たい方、是非ともおいでください。
1986年に作られた映画がいまだに世界で上映されるということどういうことなのか、ご自分の目で耳で、感覚を研ぎ澄まして見聞きしてみましょう。
毎日ではないので、お調べの上お出かけくださいね。
出身監督の澤田サンダーさんの「ひかりのたび」のDVDが1月25日発売されます。
澤田サンダー監督は、第 10 回岡本太郎現代芸術賞に入選した現代美術家であり、元不動産ブローカ ーでもあるという異色の経歴の持主。本作は自身の体験に着想を得たオリジナルストーリーです。
『ひかりのたび』公式サイト hikarinotabi.com
https://www.youtube.com/watch?v=q-CIRF5Y9YI
1/25にはアップリンク吉祥寺にて1日限定の上映もあります。
上映後、澤田サンダー監督のトークイベントの予定です(俳優さんも参加調整中です)
☆ひかりのたび 1月25日(火)上映【1日限定】
https://joji.uplink.co.jp/movie/2022/12159?fbclid=IwAR16xyMobxrYNftJDu98mE3LfJPVT5Pe5AYW57lUacGl7bCDE8O0DUAtoXw
こちらも頑張っています。
全国のミニシアターを、ミニシアターで上映される作品を応援していきましょう。