放課後NPOアフタースクールさんが運営する台東区立 谷中小学校 放課後子供教室。2021年6月から、5・6年生を対象としたキッズシナリオ「シナリオプロジェクト」を実施してきました。
>>1回目
「小学5・6年生も夢中になる物語作り」
>>2回目
「絵が苦手でも映像は撮れる」
今回は、これまでの集大成となる「最終回」。子どもたちはなんと、1時間以内で、シナリオを書いて、絵コンテを描いて、演技&撮影をして、編集をして、上映する、というフルセットを見事にやりとげました!
これには周りにいた大人がビックリ。基本をおさえておくと、迷うことなく短時間で映像作品が作れるということを改めて実感。この模様を広報の齋藤がレポートいたします。
=今回の概要==============
・サービス名:「ショートムービーを作ろう!」
・目的:映画作り
・対象:NPO法人放課後NPOアフタースクールさま
・時間:45分×3回
キッズシナリオの詳細 https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
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女子チーム:これまでやってきたシナリオの技術を活かして
実は当初の予定では、最終回はこの日までに作った映像の鑑賞会でした。でも、皆さんのスケジュールのこともあって、急遽変更。映像制作から鑑賞会までも一気にやることに。
しかも、
〇生徒さん:あの……、16時30分には帰らないといけないんです。
――ガーン。いま15時30分をちょっと過ぎたところ。つまり、1時間以内で完成させないといけません。でも新井には何か考えがあるみたいです。
〇新井:了解です!じゃあ、早速テーマを決めよう!もうすぐクリスマスだねぇ。ということで、お題は「プレゼント」。これまでやってきたように、まずは登場人物のキャラクターを考えよう!
――今回は人数の関係で、男子チームと女子チームに分かれてスタート!女子チームはもう既にアイデアがあるようです。
〇女子チーム:すぐ書ける!だって主人公の“モデル”がいるから!
――すでに「こんなキャラクター」というのが出来上がっているので早い早い。シナリオの構成も頭の中で出来ているようで、もう書き始めています。
〇女子チーム:登場人物は小学生の男の子と女の子。プレゼントを渡して告白するという話。柱(場所)はどこにしようかな。あ、イルミネーションがあるところにしよう!
――それを聞いていた新井に動きが。
〇新井:はい、イルミネーション用意しました。
――早くも“ロケ地”を確保した女子チーム。シナリオ作成を進めます。
なお、今回もこれまで同様、シナリオ・センター在籍生で、映画『15歳の総理大臣』の監督・脚本を手掛けた胡麻尻亜紀さんが参加してくださっています!女子チームは胡麻尻さんのアドバイスも参考にしながらシナリオを考えていきます。
〇女子チーム:アマネはさっぱりした性格だから、告白された後も「……」とか、セリフがあっても「私も。ありがと」みたいなさっぱりした感じにしたいよね。で、プレゼントはアップで撮る。ラストシーンはどうしようか。観る人の妄想が膨らませる感じにしたいから、付き合うかどうかわからない感じで終わらせたいなぁ。
――すごいですね、この女子チームの会話。ちゃんとこれまでやってきたシナリオの技術やカメラワーク「枠(フレーム)を意識すること」を使いこなしていますよ。例えば、登場人物ならではのセリフ、シナリオの「構成(起承転結)」の「結=余韻」、「ロング・バスト・アップ」などなど。
その後、女子チームは着々と、絵コンテ→撮影と作業を進めていきました。
男子チーム:ほぼ一人で映像作品完成!
一方の男子チームも早い早い。シナリオも絵コンテも完成しています。
内容は、主人公の有城が先生からプレゼントをもらいますが、なんとそれは「ゲロの詰め合わせ」という斬新な発想!しかも、その後の展開にもきちんとオチがついていて、学校で“お笑い係”をやっている彼らしいシナリオです。
実はこの日、男子チームの生徒さんはなんと彼1人。そのためヘルプとして、先生役に新井、撮影はわたくし齋藤が担当。
この生徒さんは、撮り始める前に必ず絵コンテをさして「ここはアップでお願いします」「ここはロングでちょっと横からこういうふうに撮ってください」とディレクションしてくれたので、ほぼ一発OKで撮影が終了。
その後、編集作業へ。新井のアドバイスを受けながらも、「違うな、ここはもう少しカットしたいんだよな」と何度も細かい調整を続け、シーンとシーンとを丁寧に繋げていきました。
キッズシナリオ=子どもたちの自己表現する場
女子チーム・男子チームともに無事、1時間以内で完成。「すごいね、これをよく1時間で仕上げたね」と感激しながら鑑賞しました!
最後に、アフタースクール担当者のかたが生徒さんに向けて、「今日で“最終回”になりますが、来年(2022年)もまたシナリオや映像作りをやりたいですか?」と聞いたところ、男子チームの生徒さんから「来年もやりたい!今度は5・6年生だけじゃなくて、3・4年生も入れるとか、幅を広げてほしいです!」とリクエストが。
すぐさま新井が「分かりました!」と答えると、うれしそうな顔をして下校していきました。聞いたところによると、この生徒さんは今回のキッズシナリオを体験したことですごく変わったんだとか。
〇アフタースクール担当者さん:前から小説を書くことは好きだったようですが、もっともっと書くことが好きになったし、映像を撮る楽しさも知って、自分が本当に好きな分野を見つけることができたんだと思います。毎回、自発的に動いて、本当に楽しそうにやっていたし、彼にとって「自己表現する場」になっていたんだと思います。
新井、その言葉を聞いてジーン。嬉しいですねぇ。
2022年も、またこちらで、今回とはちょっと違うカタチでキッズシナリオを実施する予定です。またレポートしますので引き続きお楽しみに!
※これまでの模様は「谷中小学校放課後子供教室ブログ」でも紹介していただいております。併せて是非!
・高学年ビッグプロジェクト始動開始!!『シナリオプロジェクト』プログラム
その他、いろいろな学校で実施しているキッズシナリオの模様はこちらから
・小・中学校への出前授業 キッズシナリオ 2021年9月以降の予定(2021.9.4時点)
■横浜市立 本町小学校
・総合的な学習の時間 事例の参考に/シナリオを書いて映像を撮る
■牛久保小学校
・シナリオは映画作りの基本
■新渡戸文化小学校 デジタルクリエーションクラブ