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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

生きる

絶縁家族 終焉のとき(さくら舎刊)

人 歴史 その一瞬に生きる

シナリオ・センター代表の小林です。地球そのものも危うい感じになっているのに、チェルノブイリ、ザポリージャー原発とロシア軍に制圧されました。
大丈夫でしょうか。扱いを一つ間違えれば大事故に、ヘタすれば汚染も広がるのではと心配になります。
核の脅しというのは、原爆を打ち込むだけでなく原発だって同じことで、とても怖い。
その場だけでのことではありませんし、気候温暖化ストップどころでもなくなってしまいます。
そうなれば、地球は消滅するかもしれない。今更のノストラダムスの大予言でしょうか。
日本は、原爆と原発のどちらも被害にあっているのですから、核共有とか核武装までいいだす政治家にはお引き取り願って、世界へ核廃絶の道を強く説いて、進んで欲しいです。
核を扱うことは、人としての在り方が問われますね。

人として、人間を描き続けた脚本家の作品の魅力を読み解くシンポジウムを市川森一財団が行っています。
5回目は「岩間芳樹 ひと、歴史 その一瞬に生きる」
3月26日(土)NHK千代田放送会館2Fスタジオで、無料です。
3部に分かれていて
第1部上映 10:00「ビゴーを知っていますか」(NHK・1982年・日仏共同制作・120分)
第2部上映 12:30「天からもらった場所で」(NHK・1963年・60分)
      13:40「廣野のアリア」(TBS・1980・130分)
第3部シンポジウム 「岩間芳樹ドラマの魅力を語る」(80分)
パネリスト 滝田栄(俳優)・今野勉(演出家・文化功労者)・村上佑二(演出家)遠藤利男(演出家) 司会渡辺紘史(演出家)

一応、FAXかメールでお申し込みください。空席があれば入場できるそうです。
03-64358-3135(FAX)メールzaidan@ichikawa-kyakuhon.com

絶縁家族 終焉のとき

出身のエッセイスト橘さつきさんが、「絶縁家族 終焉のとき」(さくら舎刊)というノンフィクションを書かれました。
初めて知ったのですが、日本葬送文化学会というお弔いに関するすべてのことを研究されている学会あるそうで、橘さんは常任理事をされています。
この本には、家族という絆の中で、こじれたり切れたりしながら、終焉を迎えたいくつかの家族の例を挙げながら、橘さんのご自身の家族との確執をも描いています。

遺産相続で壊れる兄弟姉妹仲の話は、私の周りでもよく聞きますが、絶縁してしまった家族が、死に目に立ち会えなかった、葬式に呼ばれない、また葬式も出さないなど壮絶な絶縁ぶりに心が痛みました。
はっきり言って、あまりにもしんどい話ばかりです。
こんなことが平気でできるのか、平気で言えるのかと思わずつぶやきながら読んでいました。
それぞれの家族の話を読んでいると、第三者であれば「これは?」「なんで?」と思うことも多く、「ここまでしなくても」とか「私ならこうする」とか思うのではないかと思います。
ですが、人間が一人一人違うように、家族・家庭にもひとつひとつ違う形があり、そこにはそれぞれに人間の本質が見え隠れしています。
親子であろうと兄弟姉妹であろうと違う人間ですし、相性というのでしょうか、合う、合わない、考え方や生き方の違いはあって当然なのに、日本人は特に「家族制度」に縛られてきた歴史が強いために、余計な確執が生まれているのではないでしょうか。
代々の家のしきたりとか、家長の言うことがゼッタイだったり・・・。
話はそれますが、その流れが、夫婦別姓やジェンダー等を認めなことに繋がっているような気がします。
究極の「後悔」は、亡くなってしまったら、亡くなった人の想い、遺された人の想いは、お互いになにも二度と通じないことだと思います。
死は誰にでも訪れ、いつ訪れるかもわかりません。
だからこそ、「人はみな違う」ことを認め合って、お互いを大切にして付き合うことが大事ではないでしょうか。

橘さんは、あとがきに「人は去り逝く日まで人生の責任は自分で背負っていく。それこそ人間としての尊厳ある最期ではないだろうか?ぜひ、考えてみてほしい」と書かれていらっしゃいます。
この本に書かれた事例は、私たちにどう生きるのかということを突きつけているようです。
「死に向かって生きる」ということを考えさせられました。
さまざまな人生、家族の生きざまがあり、ここに出てくる人たちのそれぞれの想いは、「人間を描く」創作の糧になるように思います。

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