シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
7月8日、シナリオ・センター代表の小林です。高知へ行ってまいりました。ハードな3日間でした。
今回は、高知工科大学と片地小学校、高知教育委員会と研修をしました。
私だけで研修をしたわけではなく新井と二人で行ったし、もう何度も授業をさせていただいているのですが、とはいえ緊張感はかわりなく、とくに、初めてやらせいただいた高知教育委員会から要請の高知商業の先生方への研修は、ドキドキしました。
研修内容は、[シナリオライティングを通した自己理解と想像力の育成~個性溢れる自己推薦書の書ける生徒の育成を目指して~]
というすごーーーく長いタイトルで、3時間にも及ぶ研修です。
対象は、高知商業の先生方70名ほど。高知商業、そう、そう、あの有名な高知商業です。
お伺いしたら、広大な敷地に、野球グランド、サッカー、ソフトボールグランドに体育館が二つ、校長室には山ほどの優勝トロフィーや優勝旗・・・圧倒されました。それでも、最近は私立に押されて野球は甲子園になかなか辿り着かないとか・・・。奥は深いんですね。
そんな高知商業の先生方は、意識も高く、生徒のみなさんをひとりひとりしっかりと見守っていらっしゃるようにお見受けしました。
そんな中での研修ですから、さすがの私もびしっと緊張。
自己推薦書をうまく書くのは、テクニックではかけません。己自身を知らなくて、自分を推薦するなんてできませんものね。
就職であれ、進学であれ、自分がどのように生きたいのか、そこまで考えなくては本当の自分を見つけられません。
高知商業の先生方のお悩みは、「自分は長所がない」と思っている生徒さんが圧倒的に多いこと。そこで、シナリオの登場。
先生方には、まず同じ設定でラブストーリーを1枚書いていただきました。
どんなに同じ設定でも作者が違えば、ひとつとして同じお話は生まれてこないということを実感していただきたかったからです。
案外、わかってはいても見失ってしまいがちです。
それぞれが、一人一人みんな違うのだということ。
教育はともすれば、枠の中に入れがちです。団体行動からはみ出るもの、考えが違うものを疎んじる傾向があります。
個性溢れる子供を育てたい、考える力をつけたいといいながら・・・。
クリティカルシンキングの必要性を藤原和博さんが説いていらっしゃいますが、政治家を見ればわかるように、クリティカルシンキングは嫌うんですよね、上の人は。坂本龍馬に学んで欲しい。(笑)
自己推薦書の添削をみせていただくと、その生徒の個性はなく、A君でもBさんでも誰でも同じ推薦書になっていました。つい、そうなってしまうものです。
その辺を踏まえながら、先生方とワークショップ的に研修をさせていただきました。
先生方は、生徒たち一人一人に向き合う方法を一生懸命模索されていました。
だからこそ、シナリオの効果を感じてくださり、「3時間があっという間だった」「3時間もやっていたとは思えなかった」という先生方から感想をいただけたのだと思います。さすがに終ったときはホッとしました。(笑)
これからも、キャリア教育、自分の生きる道をみつけてもらうために、シナリオに活躍してもらいたいと思っています。