ネイル
シナリオ・センター代表の小林です。春めいてくると、やっぱり春らしいものを着たくなるし、ちょっと持ち物も華やかにしてみたくもなります。私は、毎月ネイルをしているのですが、来週までは桜のモチーフのネイルにしています。
ネイルをしていると、よく「おしゃれですね」とかいわれるのですが、おしゃれといえばそうではあるのですが、むしろ精神衛生のためなのです。
顔も、洋服もいくらきれいにしても鏡で見ない限りみえませんが、指は、手元は直に見えるんですよね。いつでも、さりげなく。
色々あって落ち込んでいた時に、某講師にネイルを勧められました。手元がきれいだと気持ちが華やかになるよって。
それがきっかけで、小さな爪で、あまりネイルのし甲斐がある爪でもないのですが毎月ネイルをすることにしました。
コロナ禍では、とても気分を上げるのに役に立った気がします。
今は男性も女性もなくできるので、気分が落ち込んだなぁと思ったら、お勧めです。
4月から通学を再開しましたが、その割には通学される方が少ないです。まだ、ちょっと安心できませんものね。
でも、講師がとても嬉しそうなのが印象的です。
やっぱり、人と接するって、リアルで会うってとっても大事なことなのだと思います。
元気な4月でありたいと思います。
小説版「ツユクサ」(朝日文庫刊)
ゴールデンウイーク初日4月29日から、映画「ツユクサ」が公開されます。
小林聡美さん主演の息子を亡くして一人で暮らす女性の話です。脚本はベテランの安倍照雄さんです。
この映画の小説版を出身ライターの国井桂さんが書かれています。
「ツユクサ」(朝日文庫刊)
映画とかドラマのノベライズって難しく、映画やドラマより面白くないことが多いのですが、国井さんが手がけるものは、いつもまったく違います。
映画以上の、原作ではないかと思うほど素敵な小説にされるのです。
ご自分が脚本家であるからかもしれませんが、映画やドラマの行間を描くのがとてもお上手なのです。
お話は、「おひとりさま」の49歳の芙美は、友達の息子10歳の親友航平と隕石を発見する。
その隕石をペンダントにして、親友の航平、気の良い仲間たちと毎日を過ごすのだが、芙美には忘れられない忌まわしい過去があり、時々しんどくなってしまう。
ある日、いつものジョギングコースを走っていると、ツユクサの草笛を吹いている男と出会う。そして、抱えていた悲しみも・・・。
悲しい過去を振り切って、周りの人々に助けられながら、前向きに生きる姿を明るく描いています。
国井さんのうまさは、文章力のすごさもあるのですが、なにしろ、細やかな表現が素晴らしく、まさに映像がそのまま見えてくるのです。
映画も拝見しましたが、とても脚本から起こしたとは思えない、映画とはまた一味違う心に響く小説となっています。
国井さんは「日本映画批評家大賞を受賞した「夕凪の街 桜の国」をはじめ、映画「虹色ほたる」「王妃の館」等、ドラマ「小暮写真館」「僕とノッポと神楽坂」等を描かれている脚本家ですが、ノベライズでも「8年越しの花嫁」はベストセラーを記録しましたし、岡田恵和さんの「ひよっこ」「雪の華」「そして、生きる」「セミオトコ」なども手掛けていらっしゃいます。
岡田恵和さんは、国井さんの小説の手腕をとても信頼されていらっしゃるとおっしゃっていました。
原作を脚色するのとは反対の、脚本を小説にする作業は、ト書の行間、セリフの想いをくみ取れないと、ただのあらすじになってしまいます。
国井さんは、脚本家だけに脚本の意図をくみ取ることはお手の物ということもあるでしょうが、それと同時に小説と映像の違いをきちんとご存じだからこそ、小説の魅力を存分に引き出すことができるのでしょう。
ノベライズといわずに小説版と本の帯に紹介されているのは、まさに国井さんの小説だからです。
是非お読みください。
中年のおばさんの悲しみとトキメキが伝わってきます。