ひまわりは恋の形

シナリオ・センター代表の小林です。どうも長のお休みをいただくと、ちょっと頭の回転がうまくいきません。
毎日のルーチンってすごいことなのだとしみじみ思います。足さえ思うように運びません。(笑)

久々に出身ライター宇山佳佑さんが、ミソ帳倶楽部の打ち合わせにわざわざおいでくださいました。
シナリオ作家養成講座は104期といいますから、15年近くのお付き合いになります。
久しぶりにお会いできて、本当に嬉しかったです。「ちょっと大きくなったね」って、子どもじゃないのに成長ぶりに感激。(笑)
宇山さんは脚本家であり小説家でいらっしゃいますが、今はベストセラー小説家としての方が有名になってしまいました。
そう、かの「桜のような僕の恋人」は59万部、世界配信の映画化で大ヒットと今や小説家として飛ぶ鳥を落とす勢いです。
新作「ひまわりは恋の形」（小学館刊）が4月に出て、これがまたどうしてこんな発想ができるのかと思うほどの設定としっかりと地に足がついたキャラクター、背景づくりで、またまた切なく泣かせられてしまいました。
人はこんなにやさしく生きることができるのか・・・このようなご時世だからこそ、心に響く素敵なお話です。
久々にお会いしても、昔と変わらないので、ついつい私も昔に戻ってしまって・・・楽しいひとときを過ごしました。

６月8日、ミソ帳倶楽部においでくださいます。脚本家と小説家の二刀流からの作法など、色々教えていだきましょう。
19：00からハイブリッド（対面は定員45名ですのでお早めに）で行います。
小説家志望の方はもちろんのこと、脚本家を目指す方も必見です。

空也

このゴールデンウイークは、皆さんどうお過ごしでしたでしょうか。
東京都はリバウンド警戒期間だそうですが、3年ぶりに何の縛りもないお休みとなり、観光地は大賑わい、渋滞もすごかったですね。
私は、唯一の遠出が上野・浅草でしたが、どこもかしこもなかなかの人出でした。

京都の六波羅蜜寺から上野国立博物館におでましになった空也上人に、遠出しなくても久方ぶりにお会いできました。
そのために輸送が神経をすり減らすほど大変だったというのも話題になりましたね。
どの仏像でも、東京にお出ましいただく時は大変な神経を使って運ばれるのですが、空也上人はなにせ口から南無阿弥陀仏を表す6体の仏像をだしているのですから、それを折らずにどう運ぶかは、運送のプロも冷や汗ものだったそうで、無事についたときはほっとされたとか。でも、まだ帰りもあるのよ。往きはよいよい帰りはこわい～♪(笑)

空也上人は、市中で念仏を説いて回る市聖で、お寺に鎮座ましましてはいません。
踊り念仏と言って、鉦や太鼓をたたきながら、疫病で死んだ人の鎮魂をされていたそうです。
貧しい人や病気の人を助けたりしながら、念仏を説いていらしたとか。
民衆の中で生きていたお姿をみて、私は怖いほど研ぎ澄まされた精神性を感じました。
ちょっと猫背な後ろ姿、前のめりになって口から仏像を出しているお姿は世のなかの不条理を受け止めながら怒りを発しているようにみえます。民衆のため息を背負っているような・・・。
あくまで私にそう見えただけで本当のところは知りませんが、この世の不浄を「南無阿弥陀仏」と唱えて消し去ろうとしている魂魄の気を感じて、とても怖かったです。
むしろ、閻魔大王の方が優しく見えました。(笑)

空也上人、閻魔大王のいらっしゃる六波羅蜜寺は、平清盛が建立したお寺で、三谷幸喜さんの「鎌倉殿の13人」で興味をもたれた方も多いでしょう。
京都の方には失礼ですが、京都まで行かなくても、今なら、東京で四天王にも薬師如来にも地蔵菩薩にも平清盛像にもお会いできます。
是非、お出かけになられるとよいかと思います。
空也上人の話をしていたら、「空也といえば、予約しないと買えない有名な空也最中しか知らない」という友達がいて、何をバカなことを笑っていたら、本当に空也上人からとったことを知りました。
踊り念仏に使っている瓢箪が由来だそうで、なんでもちゃんと調べてみるものだとしみじみ思ったゴールデンウイークでした。空也最中、食べた～い。
どこにも遠くへは行かなかったけれど、それなりに充実したお休みでした。
散歩がてら、赤坂不動にも日枝神社にも、豊川稲荷にも行ったし・・・。