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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

自分の考え、想いをしっかりと持ち、自分の言葉で伝えたい。

暑い、べたつく!と文句言っていますが、暑いことも雨が降ることも、マイナス要因だけではないわけで・・・生きるということは、すべて裏表があるんですね。

掩体壕 1 掩体壕2

高知ばなしその3。食べ物ではなく、ちょっと真面目なきもち。

高知教育委員会の前田先生のお勧めで、高知空港のそばにある掩体壕を、着いた早々見に行きました。
前田先生が、事前のメールで、空港からすぐなので是非見てほしいとおっしゃっていたのです。
掩体壕というのを、私は初めて知りました。高知へは4回目ですが、どなたからもお話もお聴きしたこともありませんでした。
掩体壕は、飛行機の防空壕(格納庫を隠したもの)なんです。
お伺いする前に、簡単にネット調べていきました。が、レンタカーのナビには入っていません。前浜という地名だけで探すことにしました。田んぼの中にある大きな建物ですから、高知龍馬空港の西側の水田にあるはずなのでウロウロすればきっとみつかるだろうと・・・。
ありました、ありました。掩体壕を見学できるように駐車場もあり、掩体壕の説明のたて看板もできています。
あぜ道を歩いて見にいきました。
ちょっと「天空の城 ラピュタ」を思い出しました。田んぼの中にポツンポツンと7壕あります。遠景で見ていると、これが戦闘機を隠すためのものだったとは思えないほどのどかな雰囲気です。

実際は、戦時中に農地を召し上げられ、航空機を敵の空爆から守るために、地元の人々の勤労奉仕で作られたものです。
コンクリート製の壕の上に、土を盛り、芝などを植えて、空からただの小山のようにしか見えないようにしてあります。
この地から、沖縄出撃の為に、神風特攻隊菊水部隊「白菊隊」が編成され、九州鹿児島の基地へ行き、飛び立っていきました。
練習機として使用されていた「白菊」に250キロ爆弾を2個つけて、沖縄に出撃し、26機、52名が敵艦船に体当たり攻撃をし、戦死されたのだそうです。
170キロくらいのスピードしかでない機なので、体当たり以外には役に立たなかったといわれています。
「高知龍馬空港の戦争遺跡は、軍は国民を守るためにはなく、国民を犠牲にしても国家体制を守ろうとした姿勢を示している」戦争遺跡・文化財として残す運動をされていた窪田さんのお話です。
窪田さんの運動のおかげで南国市教育委員会が06年文化財として遺すようにし、平和教育の為に使っていらっしゃいます。 たて看板ができたのもそのおかげです。

掩体壕は、高知だけでなく、北海道から九州までいくつか残っています。どこにも、悲しいお話が秘められていることでしょう。
のどかな田園風景の中に、戦争の爪あとが68年経った今も残っています。
決して過去ではない。今も世界中で戦争は起こっているし、日本自体も国防という言葉がまたぞろでてきています。
戦争は、いつでもどこでも起きうるのです。
国民一人一人が戦争をしないという自覚をしっかり持たないと、また70年前のように流されてしまうのです。
国を守るのではなく、人を守る、人の命こそが一番大事だということを忘れてはいけないと思うのです。

新井一が、一億総シナリオライター化をめざし、シナリオ・センターを創設したのも、一人一人が自分の考えをしっかり持ち、伝える力を持ってほしいと思ったからです。
私たちも、その遺志を継いで「日本中の人にシナリオを書いてもらいと思っている会社です」とミッションをかかげています。
高知での研修は、一人一人が自分の生き方を模索し、自分で考え、自分の言葉で伝えるというのがテーマです。
前田先生が、是非見て欲しいとおっしゃった意味がわかった気がしました。

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