人として
シナリオ・センター代表の小林です。今年は無事に過ごせるのでしょうか。
自分で始めておいて「世界は戦後最も危険な10年」とか宣うプーチン大統領にびっくりします。
これほど自分目線の人を見たことがありません。
いや、あるか。亡くなってしまったので誰とは言いませんが、上に立つ人がこれでは世の中がよくなるはずはないと、真っ青な秋空に思わずつぶやいてしまいます。
日本も相当ですが、世界も相当です。世界中想像力のない人ばかりなのでしょうか。
昨日も、ニュースを見て笑いました。そして、とてもとてもとても悲しくなりました。
あのベタベタのマザームーン発言の山本議員、「推薦確認書に署名したか」何度も何度も問われても「認識が甘かった」と繰り返すばかりで、署名したとは言わないが、否定もできない、ついには記者が苦笑いするほど。
もう、こういう人を選ぶ、こういう人が上に立っていること自体が間違っていると思いませんか。
人は皆違うのですから、色々な考えがあることも、自分と意見が違うことがあるのも当然だと思っていますが、さすがにこの山本議員、大臣を辞任した山際議員、細田衆議院議長と言い、旧統一教会まみれの人たちは、宗教とも関係なく、人としておかしいと思うのです。
どうか人としてまともな人であって欲しい。他人のことを想える人であってください。
市川森一脚本賞
市川森一脚本賞財団が2023年1月で解散されるという報をいただきました。
2011年に、市川森一先生の訃報を受け、シナリオ・センター全員で驚愕したあの日のことを想い出します。
亡くなる前年、シナリオ・センターの創立40周年パーティーがありました。
その時、市川先生から「『新井一の10則集』はシナリオライターのバイブル。今のテレビ業界の最大の悲劇は発注側のレベルが下がってアマチュア化していること。皆さんがシナリオ・センターで10のことを学んでも発注主が5しかわからず、逆に皆さんのことを恨んでしまう。喧嘩するくらいでいい。共に頑張っていきましょう」と励ましのご祝辞をいただきました。
そして、「一億人のシナリオ。」を掲げた新井一の孫新井一樹に、「力になるから」とお声かけていただき、講義のお約束をさせていただいたのです。
ですが、それを果たしていただく前のまさかの急逝でした。
市川先生は、「怪獣ブースカ」、大河ドラマ「黄金の日々」「寂しいのはお前だけじゃない」「長崎ぶらぶら節」など数多くの名作を遺されました。
その市川先生の脚本賞をだそうと発足された市川森一脚本賞財団。
できる限りお力になりたいと思っていました。なので、10年で残念ながら解散とのまさかの報にしばし呆然となりました。
「メディア環境も大きく変わり、オリジナル脚本の選奨が難しく、理事の高齢化に思うように積極活動ができなくなった」ことで決断されたのだそうです。
市川森一脚本賞は、活躍中の脚本家にとって、オリジナルに意欲を燃やす脚本家にとって大きな励みでした。
オリジナルが少なくなった昨今、良いオリジナル脚本を選奨することは難しかったのだと思いますが、市川先生が、祝辞で述べられた言葉を思い出します。
脚本家はもちろん発注側もしっかりとシナリオを学んで、オリジナルこそがテレビドラマを強くするものだということを、市川先生の言葉を、脚本家も制作側も胸に刻んで、よりよいオリジなるドラマの制作に励んで欲しいと心から願うばかりです。
市川森一脚本賞は10回、9人への受賞で終わりましたが、市川先生からは、シナリオ・センター出身の浜田秀哉さん、黒岩勉さんが市川森一脚本賞をいただいています。
市川森一脚本賞財団が解散しても、私達はより一層精進して、その志を受け継いでいきましょう。
市川先生の故郷長崎・長崎歴史文化博物館で「市川森一が愛した『ふるさと・長崎夢物語』」が12月17・18日開催されます。作品上映とシンポジウムがあります。是非、足を運んでください。