ギャラクシー賞2022
シナリオ・センター代表の小林です。最近ちょっと暗いことが多かったですけれど、今日は、素敵なニュースからです。
ギャラクシー賞2022年が発表されました。
テレビ部門、優秀賞に櫻井剛さん脚本「あなたのブツがここに」(NHK)、奨励賞に吉田玲子さん脚本「17歳の帝国」(NHK)、同奨励賞にATP賞、放送文化基金賞も受賞された蛭田直美さん脚本「しずかちゃんとパパ」(NHK BSプレミアム)が受賞しました。「しずかちゃんとパパ」は3冠受賞となりました。
おめでとうございます。
先輩の皆さんが、頑張っていらっしゃる姿は、後輩にとって、次へ続くものへ大きなエネルギーをいただけます。
おめでとうとお祝いと共にありがとうと感謝を捧げたいです。
しかも、すべて素晴らしいオリジナルドラマで、昨今ヒットするドラマもオリジナルが増えてきて、とっても嬉しいです。
ここ数十年、原作ものが多く、その昔は、原作ものは脚色、オリジナルを脚本と表示も住み分けていました。オリジナルがほとんどの脚本家の時代といわれた時もありました。
昨今は、原作ものでも脚本と表示されるようになり、それってどうなのかなぁと私のような昔人間は疑問に思います。
もちろん、原作ものでもオリジナルでも、シナリオにするには、脚本家の力が大きくものをいうのですから、厳密にしなくてもと思われるかもしれせんが、やはり0から作るものとの一線を画したい気持ちになります。
シナリオ・センターで学ばれていらっしゃる方々は、0から作っています。
基本はオリジナルの作り方をしっかり身につけていただくことからですが、オリジナルの発想が大事ですが、原作もの(小説や漫画)をどう映像するのかというのも脚本家の腕が試されます。原作もので文章表現から映像表現に変えることも、勉強になるかと思います。
面倒なお願いでも気持ちよく相手に届く伝え方は?~人を動かす伝え方50の法則~
変わり種の出身ライター川上徹也さんの本がまたまた出版されました。
川上さんは、コピーライターでもいらして、数多くの物を売るにはストーリーを創るといいと提唱されています。
「面倒なお願いでも気持ちよく相手に届く伝え方は?~人を動かす伝え方50の法則~」(アスコレ)
スタンフォードやハーバードの一流研究からわかるように教えてくれています。
シナリオの訴求方法も同じだと思いながら読ませていただきました。
例えば、「人も物も弱みを見せた方が魅力的に見える」
そう、シナリオの技術でいう「人物の魅力二面性」のうちの「共通性」ですね。
考え方として「自分にとって当たり前でも別の視点で見ると魅力に変わる」
面白い発想は視点を変えることです。
最後にストーリーブランディングで結んでいるのですが、ようは「世界のために○○をしよう」というより、「たった一人のための」方が人は、感情移入しやすい、行動しやすいのだそうです。
セーブ・ザ・チルドレンは食料援助の寄付を募るときに、
「寄付金は、すべてロキアに渡されます。彼女はアフリカのマリに住む7歳の少女です。
ロキアはとても貧しく深刻な飢えに直面されています。
あなたの寄付があれば、彼女の生活はよりよくなります。
セーブ・ザ・チルドレンはあなたをはじめとした支援者より、ロキアの家族や地域の人々と協力しながら、彼女の食事、教育、基本的な医療と衛生教育を支援します。」(ロキアの写真)
ストーリーが見えること、ロキアがどんな生活をしているかが目に浮かびます。
ストーリーが見えるというのは想像をさせることができるということなんですね。
このような様々な事例を基に、伝え方を教えてくれています。
人間の心理がわかるとても面白い本です。
シナリオを発想するときにも、シナリオの伝え方にも役に立ちます。