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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

見せ場

紅葉

想い

シナリオ・センター代表の小林です。神宮外苑の銀杏並木はきれいに色づき、大変な人出です。
車道に出て写真を撮っている人も多く、危ないなと思っていました。
当然のように車道に出てくるし、撮影に夢中で車に気がつかないし、運転している方は、ひやひやものでした。
先週から、並木での駐車は禁止となり、お巡りさんの見張りも出て、車道に出る人は皆無になりました。
紅葉を楽しむのはよいですが、混雑に拍車をかけないように、マナーには気をつけないといけませんね。

ワールドカップでは、日本人サポーターのゴミ片付けや選手のロッカー整理などのマナーの良さが世界で注目されています。
素敵なことですね。
カタール大会は、移民労働者や人権問題などを含めて、差別反対を各国のチームが声をあげています。
ピッチでは、イングランドは片膝をつけ、ドイツは口をふさぎ、イランは国家斉唱しないなどそれぞれが様々な形で抗議をしています。
ドイツ、イングランド、ベルギー、デンマーク、フランス、スイス、ウェールズ、オランダのキャプテンは「One Love」という腕章をつけてこの大会に臨む予定でしたが、主催団体のFIFAに経済的制裁とイエローカードというペナルティを突き付けられ、断念したという経緯もあります。
とても残念ですが、国によって考え方も想いも違うのですから仕方がありません。
でも、日本も勝利に浮かれるだけでなく、世界で行われている差別に対してきちんと見つめ、考え、意見を言わなくてはと思います。
すべての差別は政治ではありません。人間の問題です。
日本の選手も日本のサポーターも私たちもワールドカップを通して、言葉や行動に出さないまでも、わかっていたいと思います。

シーン

来年のスケジュールができてきました。
昨日、YouTubeを見てくださいというお話をしましたが、来年の授業ポリシーは「シナリオの技術の徹底」にしました。
基礎講座で、シナリオの技術(映像表現の技術)をお伝えしてはいるのですが、それをうまく使いこなしていくことはなかなか難しいようです。

毎回申し上げることですが、ドラマを描こうとするとどうしてもストーリーに囚われてしまうからです。
シーンの積み重ねによって、ドラマが展開していく、ストーリーが動いていくというのは、頭の中では皆さんわかっておいでだと思うのですが、どうしてもお話しづくりに一生懸命になってしまいます。
ドラマの中で、登場人物の人間関係がわかる、主人公の気持ちがわかる、相手の出方が気になるのはなぜかというと、「こういうお話だから」と思っているのではなく、登場人物の動きなのですよね。
今期、最終回まで見たいドラマといわれている難聴者との恋愛を描いた「Silent」は、昨年ヤングシナリオ大賞を受賞されたばかりの方が脚本を担当していらっしゃいますが、とても小道具の使い方がうまく、4人の男女の葛藤が、他人を想うからこそ生まれる相克、対立をうまく描いて、どうなるのだろうとドキドキさせてくれます。
また、我らが先輩の森下佳子さんの「ファーストペンギン」は、毎回毎回どうなるだろうと思わせられます。主人公側の、敵役側の、それぞれが見せ場を作って、実話がもとですから最後はハッピーエンドになるよねと思ってもドキドキハラハラさせられます。
キャラクターづくりがしっかりできていることも大きいですが、ストーリーありきではない、ひとつひとつきちんとしたシーンづくりができているからだと思います。

映像表現というものをもう一度見直して、どんな技術を使えば、より魅力的なシーンになるだろうと考えながら描いていただけたらと思っています。
「見せる」ための技術を徹底させるための2023年になれば、ぴょんと跳ねること、うけあいです。

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