余白
シナリオ・センター代表の小林です。昨日は三原光尋監督に『達人の根っこミソ帳倶楽部』においでいただきました。
現在上映中の映画「高野豆腐店の春」の制作秘話を中心にいろいろお話をしていただき、とても盛り上がった熱い90分でした。
その中で、テレビドラマと映画の違いを三原監督は「テレビドラマは説明をするけれど、映画は余白を残して、観客に想像してもらう」とおっしゃられ、なるほどと思いました。
「高野豆腐店の春」は多くは語らないのだけれど、それぞれの想いを感じさせられる、それだけにしみじみと暖かいものが心の中に入ってくる映画でした。
導入部分でも、主人公の辰雄(私の大好きな藤竜也さんがめちゃいいかんじの親父になっています)と麻生久美子さん演じる娘の春と関係がさりげなくわかるように創られています。
丁寧に豆乳ににがりを入れていく職人としてのプライドがにじみ出る辰雄の姿、そこへ「おはようございます。今日もよろしくお願いします」ときちんと挨拶をしてはいってくる春。
二人が真摯に(お上の使う日本語とは違います(笑))豆腐作りに向かっていること、春が豆腐作りの技を受け継ごうとしているがさりげなくわかります。
また、堤防で辰雄が好きになったふみえと、被爆の話をさらっとするところも素晴らしい。
もし、私が作ったら、原爆への想いを、理不尽さをついつい熱く語らせちゃって、それこそ共感を得られないつくりにしてしまうだろうなと。
映像でも小説でも、すべてを見せない、語らせない・・・行間というか余白というかで感じさせられたものに心を動かされるのですよね。
描くということの、伝えるということの面白さであり難しさだなぁと思います。
是非とも見てください。余白を感じてください。
エネルギー
久々に出身ライターの土橋章宏さんが映画のポスターを持っておいでくださいました。
土橋章宏といえば、なんと言っても「超高速!参勤交代」がすぐに出てきちゃいますが、今回は来春2月公開の「身代わり忠臣蔵」。
ムロツヨシさん・永山瑛太さん主演、川口春奈さん、林遣都さん、北村一輝さん、柄本明さんという豪華キャストで、とんでもない忠臣蔵が展開されるようです。
土橋さんは、本当にいつも奇想天外なアイデアをお出しになるので、この身代わりというフレーズをみても、ちょっとヤバそう(笑)、今までにない忠臣蔵が見られそうです。
相変わらずパワフルな土橋さん、来年の春までに4冊の小説が出版されるとか。
今は、映画にするために原作の小説を書いてほしいという依頼も増えてきているそうです。
また、ドラマ、映画の韓国の力強さを見て、韓国語を勉強されていらっしゃり、韓国語がわかるとまた韓国ドラマの良さや作りがよくわかるとおっしゃっていました。
センターで学んでいらした時も今も変わらない常に積極的に学ぼうとする姿勢が売れっ子ライターとしての土俵なのだなぁと思います。
土橋さんは、是非後輩たちに言いたいと、「出せ!エネルギー!」とポスターに書いてくださいました。
ノウハウだけではなく、それを売るためにエネルギーをしっかり出すことこそ、大事なことだと。
さあ、暑さボケなどしていないで、頑張っていきましょう!
また、ご心配をいただくといけないので一言。大阪校の説明会へいきますので月曜日の表参道シナリオ日記は、お休みさせていただきます。
とっても元気です。