流行語大賞
シナリオ・センター代表の小林です。驚いたことに11月だというのに夏日だそうです今日は。
1日だけの夏日は14年前にもあったそうですが、もし連日になると統計史上初とか。予報では連休まで続きそうですが、初になるのでしょうか?
どこを向いても怪しい気候になってきていますが、お上には危機管理をちゃんとして欲しいですね。
万博にお金を出すよりやることいっぱいあると思います。
流行語大賞のノミネートがでていました。
流行語大賞は世相を映しているものが多いので面白くいつもみています。
野球のWBC優勝関連「憧れるのをやめましょう」「ペッパーミル・パフォーマンス」や今勝負中の「アレ(ARE)」、将棋の「藤井八冠」、出身ライター長田育恵さん脚本の朝ドラ「らんまん」の「スエコザサ」などは気分のいい流行語ですけれど、「新しい戦前」「エッフェル姉さん」「性加害」「5類」とかは嫌なかんじがします。増税メガネとか原発処理水とかも入れたい気が・・・。
この嫌な感じの流行語を見ていると、うやむやにされているものばかりで、これからもなし崩しで終わるであろうというのも今の世相を映しているかんじです。流行語で終わらせないようにしなければ。
流行語は、社会現象を映しているので、創作のヒントになりやすいです。
世相を反映しての発想も大事なことですので、チェックしていきたいです。
脚本家の権利
日本脚本家連盟と日本シナリオ作家協会が「脚本家の権利と生成AIに関する共同声明」をNHK、民放連、日本映画製作者連盟、全日本テレビ番組制作者連盟、日本動画協会、日本映画製作者協会、日本映画テレビプロデューサー協会他、放送、映画関係各社、報道関係者に向けて共同声明を発表しました。
この日本脚本家連盟と日本シナリオ作家協会は、半世紀以上前に脚本家の著作権管理と脚本家の地位向上を目指して設立された団体です。
出身ライターの方も多くどちらかの団体に所属され、著作権などのお世話になっていらっしゃると思います。私も新井一の著作権管理をお願いしています。
「生成AIは脚本家に変わることはできない」という生成AIに関する考えとともに「昨今、脚本家の権利がないがしろにされる事例が増えている。私たちは、業界内における脚本家の地位低下は、社会的認知度の低さも一因ととらえ、この憂慮すべき事態を乗り越えるために、両団体がともに力を合わせ、声をあげることとした」のだそうです。
やったぁ!この共同声明はめちゃくちゃ嬉しいです。
しかも両団体がタッグを組んでくれたというのが最高に嬉しいです。
「映画やドラマの制作現場において、脚本家に無断で脚本内容に手を加えられる問題が後を絶たない」こと、「番組表に脚本家名が表示されることが少なくなった」ことをあげ、著作権法に反すると言っています。
テレビ局のHPでは、ドラマにはキャストだけで脚本家の名前が出ていないことが多く、映画では脚本家の名前は小さく載っているのが普通で宣伝ハガキなどは拡大鏡を使ってもよく見えなかったり・・・。
私もいつも憤っていたひとりです。
とはいえ、一人の脚本家が戦えることではないので、生成AIのことはもちろん、脚本家の権利を明確に主張してくださったことは、脚本家の生命線を守ることでもありますから、本当に大事なことです。
大きな進歩だと思います。
映画、ドラマは「シナリオありき」と制作する人は誰もが言っているのに、まったくそのようには見受けられない、ないがしろにされていた脚本家、特に新人は多いですから。
著作権法で、脚本家は「著作者としてその意に反して内容を変更・切除そのほかの改変を受けない権利(同一性保持権)」、「執筆した著作物を公開する際には、氏名を表示する権利(氏名表示権)」があるのだそうです。
権利を主張するためにも、脚本家はもちろんいい脚本を描くことだと思います。
ですが、創作には正解はありませんから、見方はひとつではないでしょう。
だからこそ、上下関係なく同じ創作という土俵に立って、制作する者がお互いをリスペクトし合いながら、コミュニケーションを大事してひとつの映画、ドラマに向かっていけるようになっていければと願います。
その第1歩になるであろう共同声明に、シナリオ・センターは敬意を表します。