恥
シナリオ・センター代表の小林です。寒暖の差が激しい毎日ですが、世の中もいろいろと乱気流。
大谷翔平選手の史上最高契約金1015億円ドジャース入団で、日本中大騒ぎ。
契約金額もさることながら、急に愛国心が芽生えて、アメリカで日本人なのに偉いと思っちゃう自分が笑えます。
将棋の藤井さんといい若者は素晴らしいのに、大人はみんなろくでもないのが本当に恥ずかしい。
特捜部は、総力を挙げて裏金作りの安倍派を追い詰めるとか、麻生派などにも波及するらしい。どんどん追求しまくれ!と言いたいです。
政治にはお金がかかるという常識を、この際覆すくらい徹底的に追及して欲しい。
大谷選手は自らの力で驚く額をいただくわけで、その姿を見て、自分達は他人のお金をこっそりいただくという「なんてさもしい恥ずかしい人間」なのだろうと政治家たちは猛省すべきです。
でも、急に追及されたことが理不尽くらいにしか思えない輩ばかり。
お答えを差し控えるのは得意でも、お金をいただけるならいくらでもそこは差し控えずに、尻尾を振ってきたんでしょう。情けない!
反省いう言葉は知っているのでしょうか。記者会見を見た限りでは知らないみたいに見えますが。
「真摯」をつかえない言葉にしたように、「反省」「適切」「適材適所」なども使えない日本語になりそうで・・・ああ、可哀そうな日本語よ。
そうそう「適切なタイミングで適切対応をする」ってお上は仰いますが、一度も適切なことをしたことがない人にいわれてもね~。
さすがに、お上よりのFNN・産経合同調査でも、不支持率71,9%、支持率22,5%という数字がでてきました。頑張れ!特捜部!
すべての膿を出して、新しい年を迎えたい。
古典落語 面白キャラの味わい方
立川談慶師匠が「古典落語 面白キャラの味わい方~お江戸の面々にみる「自分らしく」生きるヒント~」(有隣堂刊)を出されました。
談慶師匠は、月刊シナリオ教室でも「落語とシナリオ」というエッセイを連載して下さっていますが、研修科迄学んだシナリオの同志でもあります。
ご存じ立川談志18番目の弟子で、ワコールに勤めてからの弟子入りのため前座名は「立川ワコール」始まり、真打として18年、前にもご紹介した小説「花は咲けども噺せども」などのほか多数お書きになっています。
新刊「古典落語 面白キャラの味わい方~お江戸の面々にみる「自分らしく」生きるヒント~」は、談慶師匠は、自分らしく生きるヒントを教えてくれていますが、シナリオ同人としては、シナリオを自分らしく描くヒントにもなっていると楽しく拝読しました。
私も落語好きで、最低月1くらいは、寄席やホール落語などで楽しませていただいていますが、新井一は、映画「落語野郎シリーズ」などを手掛けたほどの落語好きで、「シナリオを志す者は落語を学べ」とも言っていました。
この本には、落語の登場人物のキャラクターを楽しくお話ししてくれています。
落語の舞台と言えば長屋、大店、花街がよくでてきます。
そこを舞台に繰り広げられる人間模様は、クスっと笑えてちょっと悲しかったり、ほっとしたり。
お間抜けだが愛されれば勝ちの与太郎、騒動の中心にいつもいる粗忽ものの八五郎、大酒のみだが人情に厚い江戸前の男熊五郎、店子の親代わりお節介やきの大家さん、物知りが高じて知ったかぶりもしちゃうご隠居、大人を手玉に取るちゃっかりもので可愛い子ども亀吉、金坊、放蕩息子だけど憎めない色男若旦那など等。
落語に出てくる定番の人物だけでも枚挙にいとまありませんが、落語のすごさは、何と言ってもこのキャラクターです。
お気づきになりましたでしょうか。
ね、よく落語にでてくる登場人物は、二面性、魅力を持っているんですね。
そこに、物知りでしっかり者良識ある大人の鑑大旦那、家臣や庶民のやさしい明るい殿様赤井御門守、殿さまに振り回されるまっすぐな家臣三太夫、約束を貫く強さを持つ理想の女性像高尾太夫などなどを絡ませることによって、より噺が面白くなっているのです。
古典落語は、語り手の落語家によって話の色合いは変わりますが、登場人物のキャラクターは決して変わりません。
しっかり出来上がっているキャラクターだから長い歳月を経ても色あせないのです。
魅力あるキャラクター、二面性がしっかりできている落語のキャラクターから学んでください。