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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

気分のいい日

おシャシャのシャン舞台

たまにはいいこと

シナリオ・センター代表の小林です。ちょっといい気分を味わえた1日でした。
ひとつは、エンゼルスが大谷翔平選手へ異例の声明を出したことです。
「大谷翔平は類い稀な才能を持つ野球選手で、この6年間、彼がエンゼルスの一員として、球史を塗り替える活躍ぶりを見る事が出来、光栄に思います。(略)。
エンゼルスのファンは彼のプレーを間近で見る事ができ、とても幸せでした。翔平のエンゼルス球団、そして野球に対しての数多くの貢献に感謝致します。
彼のキャリアの新たな門出に心よりご健闘を祈っております」と。
移籍するのに前球団からこんなコメントをいただけるのは、大谷選手の選手としての実績だけでなく如何に人間性が素晴らしいかということに尽きると思います。
恥の上塗りばかりをするお上たちは、このエンゼルスからのコメントをどう受け取るのでしょうか。少しは見習ってほしい。爪の垢でも飲ませたい。

もう一つは、元陸自の五ノ井里奈さんのわいせつ行為の裁判で、元同僚の3人に懲役2年執行猶予4年有罪判決がでたことです。
「被害者の人格を無視し、被害者を宴会を盛り上げる単なる物として扱うに等しいもので、被害者の性的羞恥心を著しく害する卑劣で悪質な態様」「性的意図の程度にかかわらず動機や経緯に酌むべき点はない」と断じた判決は、快挙です。
こういう行為を、女性(あるいは男性)は嫌がっていないのだと思い込んでいる人たちへ大きな壁となることでしょう。
ですが、ジャニーズ事件でもそうですが、こうした行為をされることはトラウマになり、今後の人生に大きくかかわります。
五ノ井さんも決して有罪判決が出たからと言って、伊藤詩織さんもそうだと思いますが、被害者の方々が心から休まるようになれることはなかなか難しいです。
トラウマが消せない上に、SNSなどで心ない言葉を投げかけられたりする人がいて、二重にも三重にも傷つけられてしまいます。
そうしたことを平気でやる人たちは、罰せられた人と同じ穴の狢、本当に人間なのかと思います。
勇気をもって告発した人々を、我々は守り続けなければならないと思います。

おシャシャのシャン

今日は、先週から上演されている出身ライター坂口理子さんの「おシャシャのシャン!」を観てきました。
この作品は、創作テレビドラマ大賞を受賞し、2008年1月にNHK総合で放映されました。
尾上松也さん、原田芳雄さん、田畑智子さんらが出演し、素敵なドラマになっていました。
忘れもしません。ドラマが終わったすぐ突然電話が鳴りました。岡田恵和さんからでした。
「今、面白くいいドラマだなぁと思ってNHKのドラマ観ていたのだけれど、なんとセンター生の受賞作なんだね。坂口さんって、テレ朝も受賞した人だよね」
あんまりよかったので、思わず私にお電話をかけたくなったということでした。

そんな素晴らしいできの「おシャシャのシャン!」がご本人の手で、お芝居に。
あの大鹿村オールロケのドラマを、芝居にしたらどうなるんだろうと思いました。
11月にやっていただいた「戯曲講座」の中で、お話をしてくださっていたので、戯曲ではこう変わるのだとは知ってはいましたが、実際に観てなるほど戯曲だとこう作るのかと感心しました。
笑える。泣ける。心に響く。ドラマの時とはまた違ったかんじの本当にいい戯曲になっていました。

ドラマでは、「戦争で男性がいなくなって200年以上続いた村歌舞伎を途切れさせないために女性が出演した」ということをさらっとセリフでふれただけだったのですが、お芝居ではこの過去の戦争時のお話しをしっかりと描いています。
お話の持っていきかたも、演出も心憎く、令和5年と昭和18年が交差しながら描くことで、大鹿歌舞伎を続けていく意味がよくわかり、逃げようとしている大歌舞伎のボンボンの心を動かします。
戦争中の理不尽な過去を描くことで、今だからこそ観たい、感動するお芝居に創り上げていました。
戦争へ駆り出された恋人、戦死した夫と残された子供のためにも女性たちが村歌舞伎を継いでいこうとするその心意気が胸を打ちます。涙します。

今のようなキナ臭い時代だからこそ、「戦争はだめだよ」「戦争は悲惨だよ」と声高で叫ぶだけではなく、だけれどきっちりと届くように描くことはとても必要なことだと思います。
隣も前も涙を拭いている、最後は笑顔で手拍子を取る観客の皆さんを見て、芝居はこうでなくっちゃあと思いました。
10公演連日満員で明日千秋楽を迎えるそうです。
再演を望みます。

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