綺麗な政治
シナリオ・センター代表の小林です。どこへ行っても人がいっぱいの年の瀬です。
表参道もライトアップで大層な人。折角のライトアップ、楽しんでいただきたいですが、殆どの方がスマホの地図を見ながら歩いている。周りを見ずに、急に立ち止まるわ、車にも気がつかないわ、前から歩いて来た人にさえぶつかっている。
この状況だけは何とかして欲しいです。事故がおきても遅いですから。
30年前でしたか、ゼネコン汚職とかリクルート事件とか色々あり、その時に「企業と癒着しない綺麗な政治にしましょう」と企業献金をやめて、政党交付金として、税金を使って各政党に交付することにしました。しましたよね~。
私は今でも覚えています。案外、日本も捨てたもんじゃない、自浄努力ができるんだと思ったものでした。
どうも、経団連の十倉会長の発言を見ても、ボケられたのか、ご存じないのか「企業献金、何が悪い」と宣われる、まったく理解に苦しみます。だったら、国民の税金を、政党交付金として300億円も交付するのをやめてもらいましょう。
そして、今までもらっていた政党交付金、返してください。
議員の既得権ではないのです、国民のために働いてくれると思うから出しているお金ですよ。毎年一人一人が払っているんです。
裏金作りなんてことをするならパーティーもやめましょう。
当面自粛なんて、ほとぼりが冷めたらまたやろうという盗人のような考えをしてはいけません。これ以上恥ずかしい真似はやめましょう。
もちろん、十倉会長が何を言おうと企業や政治団体が大量にパーティー券を買うのはやめないとだめです。
何のために、パーティー券を買うかと言えば、それによって何かを得たいと企業側は思っているからですよね。
見返りもなく、いい人だからってくれるわけもなく・・・。あ、都合のいい人かぁ。
裏金だから税金も払っていないですよね、税金はもらうもの、払うものじゃないと思っているんですか。
検察はどんどん摘発していきましょう。年の瀬に大々的大掃除を。
紅葉山高校茶道部
通信作家集団の益田昌さんが「紅葉山高校茶道部」(幻冬舎刊)という茶道に青春をかける男子高校生たちの小説を描きました。
こちらはろくでもない大人の思惑を覆す、爽やかな男の子たちのお話しです。
彼らは、茶室を守るために必死にお金を集めるのですが、う~ん、爽やか~。どこかの大人とは全く違います。
スポ根ではない、文科系茶道部の男の子たちが主人公。
男子校の紅葉山高校は、8割はスポーツ推薦クラス、1割が進学クラス、1割が家業経営クラスという一風変わった私立校。
茶道部の拠点茶室「紅葉楼」は、元の地主が紅葉山を借景に観月のために茶室として高名な宮大工たちに創らせたもので、この土地を買った学校が茶室ごと受け継いだというもの。
茶道部2年生3人、1年生3人、3年生2人の部員が、お茶会などを催しながら、日々稽古に励んでいる。
ところが、室内プールを作るために、茶室ごと売却、池や茶花の畑もつぶされるという事態に。
それを阻止しするために、8人の茶道男子のユニークな戦いが始まります。
茶道に興味のない人でも、茶道の魅力を感じさせられるお話しですが、なにより、メインの2年生、祖母から茶道を習った茶道部部長柊、呉服屋の錦生、フラワーアレンジメント会社の息子斗真の3人を中心に、1年生、3年生のそれぞれの濃いキャラクターの動きが素晴らしい。
背景・事情がきっちりできているので、それぞれの葛藤もうまく描けており、ひとりひとりのキャラクターが浮き上がってきます。
それぞれが特技を持ち、その力を発揮して、紅葉楼を守るために様々な作戦を練っていくその過程が面白く描けています。
しかも、茶道を通して、人としての生き方が表れているのが、このお話を深めているように思います。
一言で言うと「壊されてしまう茶室を守るために戦う男子高校生のお話し」です。
そこに血肉がついて面白いドラマができあがります。
血肉というのはシナリオで言えばシーンです。
茶道という武器を使って、それぞれのキャラが、何かにぶつかるごとにどう行動していくか、そこが描けてこそ魅力的なお話になるのです。
益田さんの「紅葉山高校茶道部」、とっても魅力的な小説です。