「ミソ帳」とは
シナリオ・センター創設者・新井一の27回忌となった2023年。命日である11月23日(木・祝)に「業界に求められる脚本家になるための『ミソ帳フェス 2023』」を開催しました。
ミソ帳とは、ネタの仕込みノートのことです。シナリオ・センターでは「The ミソ帳倶楽部」と題した公開講座を実施しています。ゲスト講師のお話を伺い、興味を持った部分、ひらめいたアイデアなどをご自身で書きとめ、“あなただけのネタを発酵させる場”にしてほしい。そういった想いを込めて開催しています。
▼【クリエイター】脚本家 岡田惠和さんの根っこ・前編【Theミソ帳倶楽部】より
『ミソ帳フェス 2023』では、シナリオ・センター出身の脚本家・橋部敦子さん(第1部)や加藤正人さん(第2部)、また、東宝 取締役専務執行役員でありプロデューサーの市川南さん(第3部)がゲストでご登壇。最後には、第1部から第3部までのお話を踏まえたうえで、浅田直亮講師による実践講座「プロの技術を活用せよ!」を実施。
ゲストトークだけではありません。これ以外の“お楽しみ”を201教室~204教室&301教室でご用意。今回のミソ帳倶楽部を受講されない方も、シナリオ・センター生以外の方も、どなた様もお気軽にご参加いただけるよう、事務局スタッフがいろいろ考えました。その模様を広報の齋藤がご紹介。
こちらをご覧いただくと、シナリオ・センターが単なる「シナリオの技術を学べるスクール」ではなく、「脚本家になるために何が必要か考えられる場所」でもあることをお分かりいただけるのではないかと思います。「脚本家になりたいけど独学で書き続けるのは自分には難しい……」とお悩みの方。ちょっと“覗いて”みてください↓
ゲストトーク
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★第1部:脚本家・橋部敦子さん
橋部さんが脚本を手掛けたドラマ『ゆりあ先生の赤い糸 』『モコミ ~彼女ちょっとヘンだけど~』『僕の生きる道』などの執筆エピソードを通して、「伏線」「ネタの探し方」「取材」「エモーショナルなシーンを描く上で意識されていること」等々、脚本家として大切にされていることを沢山お話ししていただきました。
★第2部:脚本家・加藤正人さん
「脚本を書く前の段階で、(登場人物の)キャラクターと構成を重要視します」(加藤さん)
こういった、脚本家志望者にとって大変 為になるお言葉を沢山頂戴いたしました。また、「構成」についてはホワイトボードも使いながら詳しく解説していただきました↓
そして終了後、控え室にて。新井一による講義内容を丁寧にメモされたノートもお見せいただきました。今でも大切に、そして時折見返してくださっているとのことで代表の小林は大感動。当時の講座の様子などもお話ししていただき、新井一の思い出話に花が咲きました。
★第3部:東宝 取締役専務執行役員/プロデューサーの市川南さん
日本映画で初めて「第96回アカデミー賞」視覚効果賞のノミネート候補10作品、通称“ショートリスト”に選出(2023 .12月時点)された『ゴジラ-1.0』。本作の製作を手掛けられたのが市川さん。前作『シン・ゴジラ』他、歴代作品にも携わっているため“ゴジラ映画のキーパーソン”とも呼ばれています。
今回はゴジラ映画最新作『ゴジラ-1.0』に関するお話の他、市川さんが考える「脚本で大切な5つのポイント」についてもお話ししていただきました。脚本家志望者にとって沢山の“気づき”があったのではないでしょうか!
なお、聞き手は箱田高樹 さん(写真左:ライター・編集者/カデナクリエイト代表取締役)、進行はシナリオ・センターの新井。
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▼映画『ゴジラ-1.0』を楽しむ 見どころ/テーマと人間ドラマこそが感動を呼ぶ
★第4部:浅田直亮講師による実践講座「プロの技術を活用せよ!」
実習「セリフを考える・書き直す」を通して、魅力的なセリフが書けるように、キャラクターを描けるように、今回の講義専用プリントを使って練習していきました↓
「この講義、受けたかったな……」という方。“浅田メソッド”がつまった著書を是非↓
■『ちょいプラ!シナリオ創作術:人気ドラマが教えてくれる「面白い!」のツボ』
■『いきなりドラマを面白くする シナリオ錬金術』
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『シナリオ錬金術』より/人の記憶に残る作品を書くにはストーリーよりもキャラクター
■『シナリオ錬金術 2「面白い!」を生み出す即効テクニック』
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『シナリオ錬金術2』発売記念ブログ
■『シナリオパラダイス 人気ドラマが教えてくれるシナリオの書き方』
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『シナリオパラダイス』より/脚本の勉強法:『ホタルノヒカリ』に見る魅力的な主人公の作り方
なお、4講座すべてにご参加いただいた方には、シナリオ・センター関連書籍の近作 ①柏田道夫講師著『劇的!小説術: 上手くなるのが実感できる95のレッスン』(言視舎) ②浅田直亮講師著『ちょいプラ!シナリオ創作術:人気ドラマが教えてくれる「面白い!」のツボ』(言視社) ③新井一樹著『シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日本実業出版社)の中からご希望の1冊をプレゼントさせていただきました。
201教室:新井一 展示室
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「シナリオ・センターを創設した新井一って名前は聞いたことがあるけれど、どんな人なの?」という方に向けて、新井一による講義の模様をおさめた映像や手掛けた映画のシナリオ、そしてシナリオ・センターの軌跡が分かるパネルなどを展示しました。
202教室:休憩室&『新井一、かく語りき』上映
そして『月刊シナリオ教室』バックナンバー市も開催
ここは盛沢山!
まずは休憩室として。301教室「自習室」で貸し出ししたシナリオはここでお読みいただきました。
そして、みんなが書けるようになるために新井一が提唱した「シナリオの技術」をご紹介しているワンポイント動画『新井一、かく語りき』を上映。
『新井一、かく語りき』は毎月隔週金曜日19時に新作配信中です。
『新井一かく語りき』がどう作られているか、舞台裏もご覧ください
▼YouTube動画『新井一、かく語りき』製作の舞台裏
加えて、シナリオ・センターが発行している『月刊シナリオ教室』のバックナンバー市も開催!
皆さんのご興味がありそうな「号」を蔵出し。シナリオS1グランプリ受賞作掲載号はなんと1冊100円、その他コンクール受賞作は1冊500円で販売いたしました。
※『月刊シナリオ教室』はECショップサイトBASEでも販売中です↓
https://scenario365.official.ec/
203教室:エア・ゼミナールLive&シナリオなんでも相談室Real
エア・ゼミナール、略してエアゼミ。これは、コロナ禍のステイホーム中にシナリオ・センターの新井と事務局スタッフが考えた「ほぼ誰も出演しない無人の教室をライブ配信している動画」です。教室に来ていただくことはできないけれど、ご自宅でひとり 課題やコンクール応募作品を書いているとき、教室にいる気分を味わっていただければ!という想いを込めて始めたものです。今回は久しぶりにエアゼミを実施。
また、「シナリオなんでも相談室」もライブ配信。「シナリオなんでも相談室」は毎月オンラインで実施しているコーナー。シナリオ・センターの講座やゼミについて知りたいこと、シナリオの書き方に関するお悩み、シナリオコンクールに関して聞いてみたいこと等々、シナリオに関する疑問・質問をチャットにご入力いただき、それについてゲスト講師が回答する、というものです。
▼これまで配信した相談室のアーカイブはこちらからご覧ください。
今回は配信だけでなく、実際にご参加いただく“リアル”で実施。例えば「Theミソ帳倶楽部」の講義が終わって、次の講義が始まるまでの空き時間にこちらで過ごす、という使い方をされている方もいらっしゃいました。
出演ゲストもいろいろ。一番最初は代表・小林。
ゲスト講師は吉﨑講師。
『月刊シナリオ教室』編集長の前田も登場し、参加してくださった方のお悩みを直に解決!
※『月刊シナリオ教室』とは
▼ご参考までに2024年1月号情報のページを。
「ミソ帳フェス、参加したかったな……」という方。このときの「シナリオなんでも相談室」をこちらからご視聴いただけますので是非↓
204教室:喜劇映画『雲の上団五郎一座』の上映
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これまで「新井一さんが脚本を手掛けた映画を観たい」とよくお声掛けいただいておりましたので、この機会に当日17時ごろまでエンドレスで上映することにしました。今回上映したのは、代表作の一つである喜劇映画『雲の上団五郎一座』(1962年製作)。フランキー堺さん、三木のり平さん、八波むと志さん、水谷良重さん、榎本健一さん、花菱アチャコさん、といった日本映画・演劇界を代表する“レジェンド”が沢山出演されています。
【あらすじ】
「雲の上団五郎一座」の座長・団五郎は、大劇場で華々しく公演するのを夢みているが、現実はなかなか厳しく、相変らずのドサ廻りを続けていた。祭礼で賑うある田舎街。さっそく一座は小屋を掛けたが、座員は座長をはじめ女形ののり蔵、太蔵、竜之助、武雄、菊之丞など小人数なため、一人一人が三役も四役もこなさなければならず てんやわんやとなり――
301教室:自習室 無料開放
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毎週月曜日13:00~18:00の間のみ、シナリオ・センター生限定&事前予約・有料制でご利用いただいている「自習室」。今回は無料で開放。1000冊以上備えている1980年代から2010年代のテレビドラマのシナリオをこの場で、もしくは休憩室である202教室で、お読みいただきました。
※「自習室」詳細はこちらをご確認ください。
▼【シナリオ・センター生限定】自習室開放いたします
こんな企画も!
X(旧Twitter)で、「#シナリオセンターの思い出」というハッシュタグとともにご自身のシナリオ・センターでの思い出を呟いていただきました(1名様に代表・小林から「ありがとね賞」を進呈)。例えば、こういった素敵なメッセージをいただきました↓
<育休中に通信基礎科に入りました。家事や育児をしながらYouTubeの「なんでも相談室」のアーカイブを過去のものも全て見ました!今も繰り返し見ながら執筆のヒントをいただいています。シナリオを書き始めてから生活にメリハリが出て日々が楽しくなりました。感謝してます>
<シナリオ・センターの一番の思い出は…やっぱりS1です。応募した回数7回(半年に1度開催)、応募した作品13篇。応募する度に一次、二次、最終…と上がっていき、成長を感じられました。一番応募してるし、思い入れのあるコンクールです。授賞式も楽しかったです。>
<若い頃に通信で受講。20年以上過ぎて上京後シナセンを訪ねると「本科課題5まで受講されてるので課題6すすきからになります」と。20年前の記録あるの!?本人も忘れ果てたタイトルが並ぶ。以来「手ブラで行かない」をモットーに毎週発表でがっつり作家集団まで通ってます>
ご投稿いただいた皆さま、ありがとうございました!
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いかがでしたでしょうか?「シナリオ・センターっていろんなことやるんだな」と思っていただけたら、好奇心旺盛で新しいことをどんどん取り入れていた新井一は喜ぶと思います。
そうです、シナリオ・センターは講座だけでなく、こういったいろいろイベントもやります。それは、観客・視聴者・読者を夢中にさせる面白い物語を作るには、方々にアンテナを張って、沢山経験して、いろいろな角度から物事や人の気持ちを考えることが重要だから。そのことを実感していただきたいからです。
もし「脚本家になりたくてひとりで書いているけど、自分は独学ではもう限界かも」とお悩みでしたら、定期的に「シナリオ作家養成講座にむけた無料説明会」も開催しておりますのでお気軽にご参加ください。そして、「基礎から学びたい!」ということでしたら是非ご受講ください。お待ちしております。
※「脚本コンクールに何度も落ちていてどうしたらいいか分からない……」とお悩みでしたら、こちらの記事を↓
▼「シナリオS1グランプリ 最終審査員座談会」から学ぶ長編シナリオを書くコツ
※「書くにあたって参考にできる本、何かないかな」ということでしたら新井の『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオセンター式物語のつくり方』(日本実業出版社)を!
小学校高学年~中学生向けオンライン創作クラス「考える部屋」の小学5年生のメンバーが「シナリオ講座を実際に受けているような感覚で楽しんで読めました。また、私の悩みを全て解決してくれるすごい嬉しい一冊でした。ものすごく分かりやすかったです」と感想をくれました。お話作りが好きなお子さんにもオススメです!
▼『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオセンター式物語のつくり方』
「シナリオは、だれでもうまくなれます」
「基礎さえしっかりしていれば、いま書いているライターぐらいには到達することは可能です」と、新井一は言っています。シナリオ・センターの講座は、開講以来『むずかしいこともわかりやすく』をモットーに、創作経験の有無に関わらず、どなたさまにもお学び頂けるカリキュラムで構成しております。 “最初の一歩”として、各講座に向けた体験ワークショップもオススメです。
※シナリオ作家養成講座とシナリオ8週間講座は、オンライン受講も可能です。
詳しくは講座のページへ