目覚めよ!
シナリオ・センター代表の小林です。私事で恐縮ですが、今日は母の命日です。
亡くなったのは2001年ですから23年も前ですが、桜の満開の下で亡くなり、兄嫁が隣家にお願いをして、桜をたくさん手折ってきて枕花にしてくれました。
昨今は、温暖化のせいか桜の開花が早くなり、命日にはほとんど散っていました。
今年久しぶりに、開花が遅かったため満開の桜の命日を迎えることができました。
こちらもどんどん歳をとってヨレヨレになってきているのですが、最後まで私の代わりに家事から育児まで担ってくれた母から「ちゃんとやりなさいよ!」とエールをもらった気がします。
花曇りの今日、子どもに還った瞬間でした。
裏金問題では下々からすると何が処分だというようなグダグダの話しばかりが毎日出ています。
安倍派の人たちが、「処分が厳しい」など宣う図太すぎる神経にも驚きますが、500万円以下の不記載は処分しないってもっと驚きです。
500万円など「少額なんだから別の問題ない」と思っている?500万の年収のある人がどのくらいいると思っているの?
下々からみたら処分というのはおこがましいほどのことを恥ずかしげもなく処分したというお上。
こんな世の中を知らない人たちに国を任せておくなんて絶対できないと思ってしまいます。
しかも、こんな人たちの顔色を窺ってまったく動こうとしない国税庁、検察庁、マスコミ情けないにもほどがあります。
目覚めよ官僚、マスコミ!!
このままいけば、行きつく先は滅びるだけです。
せめて下々は、こんな人たちに戦争に駆り出されないように声をあげていきましょう。
あいにくあんたのためじゃない
出身作家柚木麻子さんの最新作が出ました。
「あいにくあんたのためじゃない」(新潮社)
タイトルだけでも、痛快な感じがしませんか。
この小説「柚木麻子が送る最高最強のエンパワーメント小説」と帯に書いてあるように、めちゃくちゃ刺激的で痛快で優しさに溢れた6編の短編で構築されています。
ネットを見ていたら、こんなことを柚木さんがおっしゃってました。
『めんや 評論家おことわり』過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家に、ラーメン店で傷つけられた人々の復讐のお話
「ラーメンを実際に作ってみて気づいたことをすべて書きました」
『BAKESHOP MIREY‘S』夢を語るだけで行動に移せないフリーターと彼女に夢を託して翻弄される留学斡旋会社の女性のお話。
「若い方に相談をもちかけられると、ついつい力業で一瞬で解決したくなる私の悪いところから生まれた話です」
『トリアージ2020』戻り悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦に手を差しのべたのは。
「実際に私の身の回りで起きたことがもとになっていて、私の鎖骨の間にも抜糸の跡があります」
『パティオ8』様々な人が住むパティオ。コロナ禍、外に出れない日々の中、パティオの中庭で遊ばせるしかできず、ワンオペで頑張っている母親たちが、子どもの声がうるさいと言われて。
「私の友だちの話が元になっています。ZOOMで吐いたのは私の話です」
『商店街マダムショップはなぜ潰れないのか?』田舎町の廃れた商店街の一角にあるマダムショップ、何十年も変らないお店にはじめて入った幼馴染ふたり。
「昔から商店街のマダムショップが気になっていて、ようやく最近中に入ったり、購入することができるようになりました。その度に、女主人たちがなぜか驚いた顔をすることから生まれた話です」
『スター誕生』キャスターを務めるワイドショーの打ち切りが囁かれている元アイドルが起死回生を図って動画がバズっている「MCワンオペ」を出演させようと。
「どうしてこの話を書こうと思ったか、理由は伏せますが、強いて言うならば、MCワンオペがうっかり言ったことは、私が本当にたまたま口にしたことです」
柚木さんありがたい、見事に発想の源を教えてくれています。
小説を読みながら、柚木さんの言葉と照らし合わせたら、「なるほど!!」と誰もが感じる辛さと痛さを熱く吹き飛ばす爽快感の源がわかります。
物事の捉え方って、一つではなく、色々な角度から切れるのだよと教えてくれます。
この本の帯に「差別、偏見、思い込み―他人に貼られたラベルはもういらない、自分で自分を取り戻せ!!」とありますが、まさにその通り!
柚木麻子さんの小説はどれも女性の私にとっていつも爽快で、勇気をもらうのですが、この6編は半端じゃない。
ウダウダ悩んでいる人、前を向いている人、みーんな読んでみてください。
でも、きっと「あいにくあんたのためじゃない」と柚木さんに言われそうだけど。