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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

興奮

大相撲の不思議3

あまろっく

シナリオ・センター代表の小林です。たまたまAスタジオという番組を見ていたら、私の大好きな俳優江口のりこさんがゲストで、鶴瓶さんと「あまろっく」という映画で共演した話をされていました。
映画がすごく面白そうだったので、心に残っていました。
これ又たまたま、補聴器の具合が悪くなって有楽町のお店に行くことになり、東映の前を通ったら「あまろっく」がかかっていて、ちょうど上映時間がぴったり・・・たまたまが重なって思わず入ってしまいました。

ものすごい英才なのに人当たりが悪くリストラされた高学歴ニート江口のりこさんと町工場を営んでいる人の良い親父鶴瓶さん親子のところへ20歳の中条あやみさんが鶴瓶さんの後妻として入ってきてという展開の人情映画です。
20歳の再婚相手にびっくりする娘江口さんを尻目に家族を大切にしようと頑張るの後妻の中条さん、二人のやり取りが見事で、そこへひょうひょうとした鶴瓶さんが関わるとまるでコントを見ているみたいに笑えます。
家族という絆を頭文字の入ったマグアップという小道具で象徴。物語のポイントに大阪も尼崎という場所、阪神大震災、大型台風を物語やキャラクターを作る上でとても大きく意味を持たせており、うまいなぁと思いながら、家族の大切さ、やさしさに心打たれ、二人のやり取りを楽しんで観ていました。
気持ちよく見終わって、エンドロールを観たら、なんと脚本は出身ライターの西井史子さん。思わず拍手しそうに。(笑)
西井さんとは、前はよくおしゃべりしていたのにコロナ禍からすっかりご無沙汰、まさかエンドロールで久々にお目にかかるとは・・・。
本当にたまたま続きでの出会い。うれしいやら、びっくりするやら。
映画戻ったら、編集長の前田から日経に掲載された「あまろっく」の記事を見せられて。縁(えにし)が濃い!!
出身ライターの方々の活躍に、ただただ頭が下がるばかりです。

大相撲の不思議

内館牧子さんから「大相撲の不思議3」(潮新書)をいただきました。
この「大相撲不思議シリーズ」、私は大好きで、毎シリーズ楽しみに拝読しています。
何が面白いかって、知らないことばっかりだからです。
相撲は両親が大好きでよく見ていました。
私がよく見ていた頃は、夜中に大相撲ダイジェスト(確かテレビ朝日?)があり、夕方は見れない私も毎日楽しむことができました。
娘も子供の頃から祖父母に挟まれながら毎夕観戦していたせいか、今もお相撲は大好きで毎夕欠かさず、土日は十両の取り組みも楽しんだりしているようです。なので、彼女も「大相撲の不思議」シリーズの愛読者でもあります。

内館さんを尊敬してしまうのは「好きこそものの上手なれ」という以上に、極めてしまっているところ。
女性がなぜ土俵の入れないかを東北大学の大学院まで入学されて、徹底的にお調べになるくらいですから。
本書の中で、私が一番興味を持ち、また驚かされたのは、女性を不浄のもの故に土俵に上げないという女性不浄論について、仏教から女人禁制の不思議を徹底的に調べられたことです。
鎌倉後期くらいから伝来した「血盆経」という生まれながらにして血に穢れた性を完膚なきまで叩き、貶めている経典があるそうです。
女性は身分の貴賤なく一人残らず地獄に堕ちるので、この「血盆経」を一心不乱に唱えなければならない。当時の女性は家畜のように働かされ、孕まされた。孕みに関する月経や産血であるのに穢いとされたのです。
相撲からここまできちゃう。すごく面白い。

昨日、趣味もシナリオのネタになると書きましたが、もう一つ踏み込んでいく興味も大事だと思いました。
私は、男女平等とか男尊女卑、男女差別につい反応する質で(笑)、大相撲の不思議を読みながら違う形で反応してしまいましたが、それもこれもまた大相撲に繋がっていくのですよね。
どういう角度でものを見るかで、切り口も色々あるということを実感しました。

ちょっとしたきっかけが大きく広がっていく、この面白さこそ創作へ向かう者の醍醐味かもしれません。

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