menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

見る目聞く耳

キンドル版 ラジオドラマの書き方(ブックビヨンド)

共同親権

シナリオ・センター代表の小林です。今日の表参道は夏日です。ついついアイスクリームに走ってしまった私です。

共同親権改正法が成立してしまいました。
子どもの将来に関わること、生死に関わるかもしれない、心を壊してしまうかもしれないことをこんなに簡単に決めてしまうのか、何のために急ぐのか全く理解に苦しみます。
徹底的に論議した上で一番良いと思う方法を考える、与党とか野党とかの思惑ではなく、数で押すことでもなく、旧統一教会の教義にも関係なく、本当に何が必要でどうすることが離婚後の子どもにとって大事なのか、しっかり考えるべきだと思うのです。
ろくに審議もしないで目先のことだけで決めて、付け足しで誤魔化すという方法はもうやめた方がいいと思います。しかも、国会議員はほぼほぼ男性なので、子育てに関して、家庭に関して、無知すぎて建前でしかわかっていないようにしか思えてなりません。
家庭裁判所の調停もどれだけ効果があるか、すべての案件は事情が違うし、なによりも親子共々キャラクターも違うわけですから、前例とかを使って欲しくない。同じようなケースがあったからそれに当てはめるとかではなく、それぞれ個に向き合う体制を作るべきだと思うのです。
建前だけで両親といるのが幸せとか、お金がある方が大切とか、表面的なことで見るのではなく子どもの心にとって何が大事かを考えて欲しいですね。
ドラマは人間を描くことですが、それにはとことん人間を見みつめなければ描けません。建前と本音の書き分け、大切です。
社会も同じように人間をみつめていくことが大切かと思います。

ラジオドラマの書き方

シナリオ・センターから出ている書籍の一番は、もちろん「シナリオの基礎技術」(ダヴィッド社)です。
1968年に出版され、1985年に新版になり、その後2023年まで38刷、年に一度発行されています。
今年も夏頃には新しい版が発行されますが56年もの長~いロングセラーというのはノウハウ本ではとても珍しいものです。

なぜ今もなおロングセラーで、書店のシナリオ関係の棚には、必ず置かれているのでしょうか。
それは、基本の映像表現を作るための技術に特化しているからです。
これがシナリオの基礎知識であったら、内容が古いとか言われて終わってしまいます。ですが「知識」ではなく「技術」、しかも「基本の技術」なので古くならない、なので56年ものロングセラーになっている。「あいうえお」が古くならないのと同じです。(笑)

ところが、もう一つ本当に隠れたベストセラーというかロングセラーがあります。
キンドル版「ラジオドラマの書き方 シナリオ・センター版」(堀江史朗著・ブックビヨンド刊)です。
わずか40ページほどの短いもので、キンドル版のみですが日本のラジオドラマの創生に関わり、全盛期を作った堀江史朗ならではの「ラジオドラマの基礎技術」だからでしょうか、たくさんの方に読まれています。
堀江史朗は、創設者の新井一ともに東宝文芸部に籍をおき、ともに脚本家としても切磋琢磨してきた親友でした。後年は、広告代理店博報堂の副社長を退職後、シナリオ・センターの最高顧問として、ラジオドラマゼミで教えていました。
とても分かりやすいラジオドラマの基礎技術になっているのは、こうしてたラジオドラマを教えてきた中から、受講生にとって、ラジオドラマを志す者にとって、何が必要で何を教えればいいのかが明確におわかりだったからだと思います。

堀江史朗は「『目は口ほどにものを言い』という諺があるが、テレビのサスペンスドラマなどでは口以上に目に物を言わせるようなシーンがよくある。
しかしラジオでは目にモノを言わせることは全く不可能である。その代わり『今まで一度も見たことがないようないやらしい目つきというものを想像し、イメージを作ってくれる。しかし、こういう目つきを役者に演じさせることは大変難しい・・・と館上げれば、ラジオにはラジオの表現上の強みもあることがわかる。そうした両者の相違点しっかりつかむことが、ラジオドラマを描くときには大切なのであって、その要領を会得するにはやっぱりできるだけ多くのラジオドラマを聴いて学んでもらうよりほかにはないようである』と書いています。

ラジオドラマを描いてみたい人の必見の書です。
また、これを収載している「いっきに書けるラジオドラマとテレビドラマ シナリオ・センター編」(言視舎)森治美・堀江史朗著もあります。
この夏には多くのラジオドラマのコンクールがありますので、ラジオドラマに興味をもたれた方はこちらも読んでいただきたいです。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ