ありえない
シナリオ・センター代表の小林です。表参道はどんよりですんでいますが、福岡や山口など各地で大雨、記録的な増水や冠水で大変なようですね。災害が大きくなるのではと心配です。
なにしろ、この国のお上は危機管理ということを知らなくて、いつも後手後手で大きな被害があってから動く、それも素早くではなく宴会していたりしてぐずぐずと・・・で、被害を大きくしてしまう。
国はあてになりません。本来は公を頼むべきところですが、仕方ありません。ご自分の身はご自分で守ってとりあえず安全な場所へ避難してくださいね。
今日から7月、能登半島地震からまるまる半年経ちます。
崩壊した建物の取り壊しすら4%しか進んでいない、輪島市や珠洲市ではまだ水道も通っていないところもあり、未だビニールハウスで暮らしている方もいらっしゃる。
復興するための人出が足りないとか言っていますが、だったら、すぐに必要でもない高層ビルや万博などに人手を割かずに、能登へ注いでみてはいかがでしょう。緊急ですよ、緊急!!
お上は散々ほうっておきながら、名前ばかりで中身はまったく具体的ではない「能登創造的復興タスクフォース」という何をしようとしているかわからないものを立ち上げ・・・。本当にイヤになります。
本気だというならとっとと進めてください、ただのアドバルーンではゼッタイ許しません。
ニュースを見ていたら「期待していない」と能登の方々の声が多々あり、正直なところだろうと思います。ここまで捨てておかれたのですから。
でねぇ~、国会議員の平均収入2,530万円ですって。裏金の自民党は2811万円。推して知るべし。
東京都は、9割引きで神宮の土地を三井不動産に売って、十数人も天下りさせて、神宮の杜伐採。
大雨の中、新宿の炊き出し、食糧支援に庇を貸す気もなく追い立て、料金を払えない人からは命の水まで止めてしまう・・・。
「国民の、都民の命を守る」って?
今そこで命を削って必死に生きている人たちがいるのには目もくれないで、恥ずかしげもなくよく言える、そんな感覚を持っている人ばかりがお上って、心から悲しい。
どこもかしこも下々に目を向けるお上などいないのです。
氏神さまのコンサルタント
出身ライターの西山倫子さんが漫画原作を描かれたコミックを持ってきてくださいました。
しかもまた、もう一度シナリオの勉強をされたいとか・・・。実際の仕事を重ねた上で、基本に立ち戻ると全く新しい見方ができるので、プラスになることを請け合いです。素敵な決断ですね。
西山倫子さん原作のコミックは「氏神さまのコンサルタント」(講談社刊)
第2巻が出たばかりなので、1巻2巻とお持ちくださいました。
3行ストーリー的にいうと「さびれた神社にひとりで住む両親を亡くした女子高生真澄が、謎の強面コンサルとともに、神社を立て直そうと奔走するお話」です。
ストーリーがドラマを面白くするのではないと常々言ってきましたが、この本を読まれるとよくお分かりになるかと思います。
まず、主人公の真澄のキャラクターがしっかりと創られており、真澄がまだ高校生なので神官ではなく巫女でしかないのに、何故神社を必死に守ろうとするのかという事情もよくできています。
そこに、昔父親と何かしらの関係があっただろう謎のコンサル袴田が現れ・・・。1回目の初めに、彼が、どうもなにかあった人間らしいとちょこっとほのめかす出だしも、ところどころにみせていく伏線も見事です。
神社立て直しを図る真澄の前に、再開発のため神社の立ち退きを図ろうとする役所の人間、市長、真澄の親友たち、神社の神官、愛葉神社の姉弟とおばあちゃんなど等、それぞれのキャラクターも濃く面白く、真澄の知らない過去の事情や事件などに絡めて、うまい展開をしています。
ですが、なによりこの本がただの神社を舞台にした女子高生の奮闘物語にならないのは、西山さんの神社に対する深い愛と知識です。
西山さんは、5歳の時に児童書の「古事記」と出会い、個性豊かな神様たちに魅了され、小学生で「神主になる」という作文を書かれたほどの生粋の神社好きだそうです。
それだけにきちんとした神社の歴史や儀式を知っており、その上で色々な神社などに取材をされて、それがこの物語を揺るぎないものにしています。
神社を守るために色々な作戦を立てるのですが、それがただのビジネス成功話にならず、神社だからこそのできること・できないことへの障害がより物語を魅力的にしています。
物語を創るには、作者がきちんと知識を持ち、取材をすることがいかに大切かということを西山さんは教えてくれました。
ドラマにしてもゼッタイ面白くなりそうです。どなたかドラマ化に手をあげてください。