危機管理
シナリオ・センター代表の小林です。山形ではパトカーまでも転覆し警察官、通報者とも行方不明とか。
河川の氾濫は如何ともしようがないのでしょうか。
異常気象が当たり前になりつつある昨今、急に場当たり的な対策本部を設けるのではなく、自然災害に対する危機管理をきちんとすることを考えて欲しいです。
それと同時に危惧するのは、食料危機。
日本の食料自給率は38%です。あとは輸入に頼っています。
世界中、地球規模で気候変化がある時代に入っているのですから、各国からの輸入に頼るのは危ないですよね。「日本になんてあげないよ」と言われればそれで終わりですもの。
実際、自国の供給確保を優先するために主要な食料の輸出禁止を打ち出す国が相次いでいます。
日本はのんきに飽食をし続けている場合ではないのです。
お上は自分たちが豊かに食べ続けているので、なんにも考えられないでしょう。想像力が微塵もないですから、当然能力もないでしょうしね。
でも、農林水産省の官僚くらいは、昭和60年の73%の自給率から毎年すごい勢いで落ちているのですから、推移をみて何をすべきかということは、考えていると信じたいですが・・・。
せめて、まずは豊作や豊漁の時に廃棄をするのではなく、保存加工できるような手段をとてもらいたいと思います。
ひもじいと心が荒みます。
わたしのお殿様
鷹井伶さんの「わたしのお殿様」(角川文庫)の第二弾ができました。
「わたしのお殿様」は、家康の六男松平忠輝のこと。
伊勢の地に流刑となった忠輝を、刀鍛冶の月国の後継ぎとして男の子として育てられた美彌は慕っています。
第1作目は、忠輝との出会いから、美彌が女性として目覚めはじめ、彼を慕うようになるまででした。
2作目の本作は、忠輝とともに生きる決意をした美彌は伊勢に移り住むことになるのですが、なかなか二人の距離は縮められません。
柳生宗矩より忠輝抹殺を命じられた七郎こと十兵衛は忠輝と出会うのですが、彼の人となりに惹かれ始めます。
その頃、伊勢では女性ばかりの人さらいが横行。美彌もまた・・・。
相変わらず鷹井さんは、登場人物のキャラクターづくりがうまい!
今回は、初登場の柳生十兵衛が11歳。抹殺すべき忠輝との交流、片目になったいきさつがイキイキと描かれています。
歴史上の人物を描くことはとても難しく、歴史の行間から、もしかしたらありえたであろうことを作り出すというのは大変なことです。
家康に疎まれたのは、面貌怪奇で生まれたからとか、織田信長に殺させられた信康に似ていたからとかいろいろな説があり、そうした諸説や歴史上の一文を使って色々な忠輝がいます。
忠輝は色々な小説家が描いていますが、鷹井さんの忠輝は眉目秀麗で剣もたち、兄秀忠に流刑にされても恨むことなく、心根のやさしい男です。
鷹井さんは歴史の造詣が深く、シナリオハンティングもきちんとされるので、だからこそ面白く興味深く読めるのです。
私は、「わたしのお殿様」の忠輝が好きです。
シリーズの3作目は飛騨が舞台になりそうです。今からワクワク。