新人
シナリオ・センター代表の小林です。急に喉が痛くなって、直ぐに耳鼻咽喉科へ行きました。めちゃくちゃ診たてのはっきりしている先生で、即、タタタッと検査、診察してくれて、インフルでもコロナでもないただの喉風邪というお墨付きをいただき、ホッ。
ここのところ周りが風邪だらけなので、油断しないようにしていたのですが、最後のアブラ切れか・・・。
ま、もう一息頑張って年を越して、来年55周年に向かって全力で走りたいと思っています。どんな時でも食欲だけは全開の私、活力の源さえ揺るがなければ、怖いものなしです。(笑)
ドラマ誌の1月号を読んでいたら、テレビ朝日新人シナリオ大賞の発表が出ていました。
シナリオ・センターの奈良さわさんと田中徳江さんが優秀賞を受賞されており、受賞の言葉が載っていました。
その中で奈良さんが「シナリオを描き続けて20年以上初めての受賞」と書かれており、思わず、受賞の報告にいらしてくださった時に、「辞めなくてよかった」とおっしゃって喜ばれていた姿をまざまざと思い出しました。
ね、描き続けることこその受賞ですもの。諦めたらそこでおしまい。
なんでもそうですが、続けることができるって、一番の才能なのです。
早く世に出る人も遅く出る人も色々なタイプがあるけれど、続けていくことがプロへの王道なのです。
今年もあとわずか。もう、今年で終止符をと思う方がいたしたら、私は「もう少し書きなよ」と背中を押したいです。
物事に途中でやめて正解というものがあるとしたら、それはなんだろうと、フト思う年の暮れです。
シナリオライターP子の七転八倒日誌
「私はいかにして折れないハートをゲットしたか」と呼びかけている出身ライターの田嶋久子さんの本が出ました。
「シナリオライターP子の七転八倒日誌」(言視舎刊)
これこそまさに、頑張って頑張って描き続けることがどんなに大事で、プロに成るために必要なのかということが如実にわかる本です。
月刊シナリオ教室で2000年から7年間掲載していた「実録!プロになるまで シナリオライターP子の日記」を中心に、現在のプロライターとして活躍されている田嶋さんの書き下ろしとなっています。
20年前、まだ売れないシナリオライターが、どんな風に未知の映像業界とというものを歩いてきたか、田嶋さん自身の体験ですけれど、誰もが通る道でもあるので、読み物としても面白いのですけれど、それ以上に勇気をもらえます。
これからライターを目指す方も、ちょっと足を突っ込んだけどうまくいかず疲れちゃった新人ライターも、是非とも読んでほしいです。肝が据わりますよ。
田嶋さんは、大阪校出身でコンクールに入選後、プロになるべく奈良から満を持して上京されました。
ま、詳しい内容は読んでもらいたいのですけれど、色々あって、一時期シナリオ・センターでアルバイトをしながらも、諦めずに描き続けてきました。
田嶋さんがデビューした頃は「ふてほど(不適切にもほどがある)」の時代、パワハラの世界でした。今もまだ残っていなくはない(まわりくどい(笑))らしいですが、プロデューサーのパワハラで挫折した新人はたくさんいました。
私も泣かされた新人の代わりにTV局のプロデューサーと大喧嘩したこともあります。
でも、田嶋さんは頑張った。ともかく描き続けたのです。そして、今がある。
挫折してやめるのは簡単です。
でも、描くということは、ダイエットなどと違って、己の心を出す仕事。
作家性というものは、その人だけのものですから、やめたからといって、他の人が代われるものではありません。
だから、ひとたび創作の世界へ足を踏み入れたら、描き続けなければならないのです。
だって、あなたしか描けないんでもの、あなたの作品は。宇宙で唯一無二なのだから。
そんな背中押ししてくれる先輩の本を読んで、耀ける来年を目指してください。