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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

明日に向かって

社会もシナリオも然り

変化

シナリオ・センター代表の小林です。年明けは、少なくとも今週いっぱいは、穏やかににこやかに過ごしたいと思っていました。なんと言っても始まりは大事ですから。
それなのに、どうも心を逆なでする人がワンサカワンサカ出てくるんです。困ったもんです。

昨日、日本原水爆被害者団体協議会の方々(被団協)が石破茂首相と面会されました。
今まで政府って会おうともしなかったそうなので、まあ、面会は画期的なことらしいので、よかったなぁと思っていたら・・・。
被団協の皆さんは、核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加や、国の援護区域外で長崎原爆に遭った「被爆体験者」への施策の充実を求めたられたのだそうです。当たり前のことです。
ですが、石破さんから回答はなかったといい、代表委員の一人、田中重光さん(84)は「ノーベル平和賞を受賞しても、一番変わらないのは日本政府。がっかりだ」と。
田中さん同様、心ある日本人、いや世界中の人々も心からガッカリしていると思います。
ノーベル平和賞授賞式でのスピーチ「もう一度繰り返します。原爆で亡くなった死者に対する償いは、日本政府は全くしていないという事実をお知りいただきたい」
思い出します。2度もおっしゃったのです。
何度悲痛な言葉を吐けばいいのでしょう。
ねぇ、お上の皆さん、彼らの声をどう聞いているのですか。唯一の被爆国日本のことをどう思っているのですか。被爆者のことをどうみているのですか。
何故、お上は平気な顔をしていられるのですか。日本のお上は、心がないのですか。
嘯いているばかりのお上を国民が信じられと思いますか。

言葉の必要性

朝日新聞が「不確かを越えて」という新年の特集をしていました。
朝日新聞は今や戦わないマスコミに成り下がっていますが、この特集は、色々な方にインタビューされ、今だからこその大切な言葉をもらっていて、秀逸な企画でした。

現在、第2次世界大戦で犠牲になった画学生たちの作品を展示する上田(長野県)の「無言館」の共同館主になった内田也哉子さん。
少しだけ彼女の言葉をお伝えしたいと思います。

「言葉にすると、曖昧だったものがきちっと明確になる。それはとても大切だけれども、逆に言葉に頼り過ぎると『五感』で感じることをおろそかにしてしまう。
意味にばかりとらわれ、本当の自分とその事柄との距離感や関わりを見失いがちになる。
だから、もっと理屈じゃなく感覚で、世の中や他者のことをとらえていく必要があると感じています」
「現代社会の流れは『もっともっと』という果てしない欲求で出来上がっているように思います。(略)
もっとは大事だけれど、行き過ぎると他人のものまで取ろうとする、あるいは他人の命までも消していいという考えに至ってしまう。
さらに、敵と味方、善と悪、正しい正しくない、と線を引く。
物事を考える時、二分法のほうが楽だから。その結果、背反する者がどんどん乖離していく。
それでも、境界線ではなく接点を見つけたい。
ひとり一人が周りに流されず、自分で見極める目を培っていくことが大切なのではないかと思います」
「(不確かな時代に生きていくことで大切にしたいことは、)世界で6人に一人以上の子どもたちが紛争下で生きているといった数字があり、全く他人ごとではない。
思いを馳せる、あるいは無力だけれども自分は何ができるのだろうと考える、誰かのために祈る。
一日の中のほんのわずかな時間でも積み重ねていく。たまたま違う場所に生まれたことによって紛争の巻き込まれている人がいる、と思い出すことが第一歩ではないかと思うんです」(朝日新聞1/3朝刊より抜粋)

明日は、脚本家の野木亜紀子さんのお話しを抜粋したいと思っています。
多くの人が今、自分の想いや考えを持ち、伝えていかなくてはならないと思っています。
それはストレートな言葉でも、エンタテイメントに託してもいいのです。
私たちは、感情を語る言葉を、自分の言葉を、持っていなければならない。
こうした理不尽な社会情勢の中だからこそ、形にすること、言葉の必要性を強く感じるのです。
創作者である私たちは、特に心せねばと思います。

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