映画づくりの役割分担/＠横浜市立牛久保小学校 | シナリオ・脚本、小説も！プロの技術が学べる学校

総合的な学習の時間で「映画」を作りたいと考えている横浜市立牛久保小学校6年生の皆さん。
作り方が分からないので、子どもたちがネットで映画の作り方を調べたら、この記事を発見したとのこと↓

「え！　3年前、6年生が映画の作り方をシナリオ・センターの出前授業で学んだみたい！
自分たちもイチから映画の作り方のアドバイスがほしい！」

ということで、担任の先生よりご連絡をいただきました！
とっても嬉しいです！

前回に引き続き、今回も担当いたしましたシナリオ・センターの田中が皆さんにお伝えした模様をレポート。
“映画制作における役割分担の種類と進め方”をご紹介いたします！

＝今回の概要＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

・サービス名：「イチから映画の作り方のアドバイスがほしい！」（全1回）
・目的：総合発表会に向けた動画づくり
・対象：横浜市立牛久保小学校さま（6年生）
・時間：各約90分
※キッズシナリオの詳細
https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home　

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映画づくりってどんなことするの？

映画といえば。
「よーい、アクション！」と監督が叫んで、役者が演じ、それをスタッフたちが囲んでいる。
という撮影風景が頭に思い浮かびませんか？

でも。
どんなスタッフがいて、それぞれが実際どんなことをしているのか。
具体的にはちょっと分からないですよね？

牛久保小の皆さんも、「まずはスタッフそれぞれの役割についてしっかり知りたい！」ということでしたので、今回のキッズシナリオでは「映画づくりの役割」についてもしっかりお話しさせていただきました。

シナリオ・センターの講座の“基礎”となる書籍『シナリオの技術』（ダヴィッド社・新井一著）に、“映画製作編成表”という項目があります。

規模の大小はありますが、全国公開の劇場公開映画になると、準備から公開まで50～数100名に及およぶ人々が関わります。今回は、学級で映画を作るために押さえておくといい「役割分担」を、『シナリオの技術』より抜粋してお伝えしました。

映画をつくる人の役割

「どんな役割の人がいると思う？」と聞いてみると、次々と手が挙がって、

　「監督！」
　「俳優！」
　「編集する人もいる？」
　等々、いろいろな役割が出てきました。

皆さんが知っている役割は“おさらい”として、
知らないものは“新たな知識”として、
映画をつくる上ではどんな役割があるのか、ご紹介しました。

これを通して、
「自分はこの役割があっているのかも」「この役割やってみたい」と
前向きに取り組んでもらえれば！と思いまして、
「自分がこういうタイプだったり、こういうことをしてみたい人には特にオススメ！」
という切り口でお話しさせていただきました。

・監督（ディレクター）
映画の内容についてすべてを決める人。アイデアを考えたり、みんなから出たアイデアも取りまとめて、自分が中心になって、映画を作っていきます。ときには、みんなの相談や悩みも聞きながら作っていくので、クラスのリーダー的存在になりやすいという人や、何かをするときにみんなを取りまとめるのが好きだからやってみたい！という人にもおすすめの役割です。

・助監督（アシスタントディレクター）
監督の意図を踏まえて、映画の撮影をよりよく進める人。撮影時間も意識して、一日にどれくらい撮るか、撮影のしおりを作ったりもします。それぞれの役割にも気を配って、各役割の作業が遅れていたり、困っていたりしたら、「みんなで手伝おう！」と声をかけたりもします。クラスのサブリーダー的存在になりやすいという人や、誰かをサポートするのが好きだからやってみたい！という人にもおすすめの役割です。

・シナリオライター（脚本家）
映画の設計図となる「シナリオ」を書く人。一見、個人作業のように思えますが、プロの現場でも「ここからここまでは〇〇さんが書いて、ここからここまでは☆☆さんが書く」というように、分担してシナリオを書きあげていく場合や、監督はじめ他スタッフともにアイデアを出しながら、書いていく場合もあります。いずれにしても、“チーム”で書き上げることもケースとしては多くあります。撮影中も予定していた撮影場所で撮れなくなったときは、他にどこがいいかとか、今のセリフはこう変更した方が良いのでは、と監督に提案したりすることもあります。休み時間にいつも“新しい遊び”を編み出して仲間内で遊んでいる！という人や、本を読んだり文章を書くのが好きだからやってみたい！という人にもおすすめの役割です。

・撮影（カメラマン）
カメラのＬＥＣボタンを押す人。どこから撮るか、手持ちで撮影するならどう動いて撮るかなど、監督と相談しながらルック（見た目）を決めて撮影していきます。撮った動画の管理もします。絵を描くのが好きで、描くときはいつも構図にこだわっちゃう！という人や、カメラやタブレットが好きだからやってみたい！という人にもおすすめです。

・録音（音声）
登場人物のセリフを録音する人。ちゃんとセリフを拾えているか、雑音が入っていないか、など“気を配る”音の専門家。タブレットで撮影するときは、カメラ用のタブレットとは別に、音声用のタブレットも用意し、2台で録音していきます。録音した音の管理もします。カメラの枠（フレーム）に入らないように、でも音がしっかり取れる位置まで近づいて取ります。音楽が好きで、音楽に限らず色々な「音」に興味がある！という人や、タブレットや機材を操作することが好きなのでやってみたい！という人にもおすすめです。

・俳優
登場人物を演じる人。登場人物のキャラクターを踏まえて、演じます。「この人はこのとき、どんな気持ちなんだろう？」と想像して、言い方や動き方（仕草やクセ）をどうするか、演技プランを考えます。セリフや動きを覚えて、同じシーンに出る俳優仲間たちと一緒に練習を繰り返して本番に挑みます。部活で演劇部に入っている人や、人の気持ちを深く考えたり、人前に出ることが好きだからやってみたい！という人にもにおすすめです。

・美術
劇中に登場する小道具や、登場人物が持つものなどを用意したり作ったりする人。撮影時は、背景の配色や、映したいもの、映ってはいけないものなどに気を配って、モノを動かしたり、撮影が終わったら元に戻したりします。部活で美術部や手芸部に入っている人や、何かを作ることが好きだからやってみたい！という人にもおすすめです。

・編集
撮った映像や録音の音声を、編集ソフト（アプリ）で一つの作品に繋げる人。監督と相談しながら、シーンをカットしたり繋げたり、必要なときはテロップを入れたり、セリフの音はちゃんと聞こえるか、バックに音楽を流す場合はそのタイミングがあっているか、も確認します。プロの現場でも「編集によって出来が決まる」と言われるほど“作品の肝”となる作業。自分でもタブレットで動画を作っていて、その中でも編集作業が好き！という人や、こういった細かい作業に興味があるからやってみたい！という人にもおすすめです。

※番外※
・プロデューサー
映画づくりの責任者。時間・人材・製作費の管理をする人。みんなの場合で言うと、担任の先生です。映画づくりにおいて、「ここまではできる」「できない」という範囲を把握します。「やりたいこと」はプロデューサーに必ず確認して、判断を仰ぎましょう。