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横浜市立市ヶ尾小学校6年生の子どもたちは、「総合的な学習の時間(総合)」を使って、自分たちの成長の証をカタチにしようと考えました。
やってみたいのは「劇」。
“成長した瞬間”を台本(シナリオ)に起こして、演じ、観てもらう。
でも。
「あと3ヶ月で終わってしまう6年生の時間……。
本当に劇はできるのでしょうか!
“成長の証”を残すことができるのでしょうか!」
――という子どもたちの悩みを受けた担任の先生からお電話をいただきました。
分かりました!しかと受け止めさせていただきます!
6年間みんなが頑張った証、必ず残しましょう。
ということで、シナリオ・センターの田中が実施した出前授業「キッズシナリオ」の模様をレポート。“小学校で過ごした足跡の残し方”をご紹介いたします!
=今回の概要==============
・サービス名:「台本づくりからひも解くアウトプットの仕方を教えてほしい」
・目的:総合の取り組み 動画づくり
・対象:横浜市立市ヶ尾小学校さま(6年生)
・時間:約90分
※キッズシナリオの詳細
https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
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諦めるのはまだ早い!
*
クラスの成長した姿をみせたい。
みんなを主人公とした劇にして。
「ただ、イチから作るとなると、正直、間に合いそうにもありません……」
と6年生のみんな。
たしかに。
プロの世界でさえ、台本を書くだけでも、大変な時間を要します。
大体の内容を固めていたとしても、例えば2時間モノなら少なくとも2週間、
ハリウッド映画では構想10年みたいなことだってあるわけです。
なぜそんなに時間をかけるのかというと、その劇に関わる人はみんな、シナリオ(台本)を読むからです。シナリオは言わば「設計図」。それをもとに、よりよい作品に作り上げていくために、役者さんやスタッフの人たちなど作品に関わる全ての人が読み込みます。
だからこそ、作品の「要」となる脚本へのこだわりは無限大。
そして、「劇」にするなら、脚本作りだけでは終わりません。
そう。稽古&公演にむけた準備。
このことをみんなに話すと、シュン……。
「やっぱり、やるのは難しいね……」
「そんな時間、もうないじゃん……」
「どう考えても無理だ……」
みんな!諦めるにはまだ早い!
「劇」は難しいかもしれない。
でも、自分たちの成長を伝える方法は他にもあります!
時間がなくてもこれならできるかも!
成長した姿を描きたい、残したい場合。
こんな方法はいかがでしょうか!
☆方法1:『短編劇』
長いものを作る時間がないなら、短いものを作ってみるのはいかがでしょう。
短編劇とは、その名の通り短い劇のこと。
みんなが成長した瞬間の一部を、10分くらいの劇にしてみる。
ただ。短くても劇は劇なので、台本を書いて、配役を決めて、稽古をして、舞台セット・小道具・衣装などを準備して、公演日と場所を決める、といった時間が必要です。
「これもハードルが高い。無理だな……」ということでしたら方法2へ↓
☆方法2:『短編朗読劇』
朗読劇とは、役者が台本を持ち、音読するスタイルで上演される劇のこと。
なので、役者さんがセリフを完璧に覚えたり、動きを決めなくても、また、舞台セット・小道具・衣装などを準備しなくてもOK。
ただ、劇は劇なので、体育館など公演する場所や日程を確保するなど、それなりの準備は必要になってきます。
「これもちょっと……」ということでしたら方法3へ↓
☆方法3:『ボイスドラマ』
ボイスドラマとは、音声だけで物語を表現する作品のこと。
「オーディオドラマ」「ラジオドラマ」「CDドラマ」とも呼ばれています。
台本を書いて、配役を決めて、少し稽古をしたら、本番。
「総合的な学習の時間(総合)」でみんなが使っているタブレットで、演じている音声を録音。その後、必要なら音楽や効果音なども編集してつけることができます。
「う~ん、台本を書く以外の時間はちょっととれない……」
ということでしたら次の章へ!
卒業文集のシナリオ版「シナリオ文集」
☆方法4:シナリオ文集
台本を書いて、それを1冊の本にする。
というのはどうでしょうか。
よく「6年間の思い出」とか「将来の夢」といったテーマで、みんなが書いた作文を「卒業文集」として残すことがありますよね。
そのシナリオ版。
名付けて「シナリオ文集」です!
ひとりひとりがそれぞれ書いてもよし、
いくつかの班に分かれて書いてもよし、
クラス全員で協力して1つの台本を書いてもよし。
これなら、先ほどご紹介した方法よりかは、時間がかからずに済むのではないでしょうか。
みんなに提案してみると……
「いい~!それめっちゃアツい~!」
「これまでにない文集ができそうな気がする!」
「もしかしたら、この台本をもとに下級生が舞台にしてくれるかも!」
と大盛り上がり!
「劇を作るのは絶望的だ……」としょんぼりしていたみんなの顔がパァ~っと明るくなりました!
追加情報としては、まず、みんなの6年間の成長を題材にした台本を書いて「シナリオ文集」を作る。
で、もし、「もっとできそう!」ということでしたら、シナリオ文集をもとに劇やボイスドラマにしてみる、という手もあります!
みんながどんなカタチにするのか楽しみだなぁ~!
できたらぜひ教えてくださいね~!
※今回お伝えした方法1~4は、作業量や作業時間に違いはあるものの、どれもすべて「要」になるのは台本(シナリオ)です。シナリオの書き方についてはこちらを是非参考にしてください。
▼台本の書き方・作り方。6つのポイントで紹介。学習発表会に悩める先生へ
▼物語の作り方を紹介 ~小学生から大人まで物語をつくりたい人へ~
▼取材で聞いた話や実話を元にストーリーを作る/@呉市立広南中学校
※いろいろな学校でキッズシナリオを実施中。事例をご紹介しておりますので、「うちの学校にも来てほしい!」ということでしたらご参考までにご覧ください。
▼コミュニケーション力 を上げるシナリオ研修 事例まとめ