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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

創作の肝

月収(中央公論新社)

全領域異常解決室

シナリオ・センター代表の小林です。この連休も全国的に雪模様の予報。能登ではドカ雪が降るかもとか・・・ちっとも復興の兆しも見えないのに、次々と自然の脅威にさらされるって、何とかならないものでしょうか。神様っていじわる?
能登のみならず全国的に大雪には気をつけなければいけないようですので、連休でお出かけの際はくれぐれも現地のお天気を確認してお出かけください。

ザ・テレビジョンが行っているドラマアカデミー賞の脚本賞を、出身ライターの黒岩勉さんが受賞されました。最近では「キングダム」のヒットが話題ですが、「TOKYO MER走る緊急救命室」(TBS)、「マイファミリー」(TBS)「ラストマン全盲の捜査官」(TBS)など数多くのオリジナル作品を描かれ、ヒットを飛ばしていらっしゃいます。
脚本家の中でも、オリジナルを多く描かれている脚本家のお一人だと思います。
今回の受賞作ももちろんオリジナルです。
「全領域異常解決室」(CX)
“不可解な異常事件”に挑む、本格ミステリードラマとしてスタートしたが、「前半4話をフリに使い、第5話で世界を反転させる黒岩脚本に脱帽」と視聴者を驚かせた。作中にはさまざまな神が登場したが「神の研究を突き詰めているところもさすがだなと感じた」と、ディティールのこだわりも評価された。“とのこと。
黒岩さんは、今までもとても思いつかないような切り口で、展開していくドラマ作りをされていますが、今回は神様を使い、不可解な事件「神隠し」「シャドーマン」「狐憑き」等々の超常現象を解明していくと同時に壮絶な神様の争いを描くという驚くべき異色のドラマでした。
日本は八百万の神、色々な神様がいらっしゃいます。その神様たちをドラマに使われるって、一神教ではない日本だからこその発想、さすがと思います。
受賞おめでとうございます。

月収

大ベストセラー「三千円の使いかた」(中央公論新社)等を書かれていらっしゃる出身ライター原田ひ香さんが、またまたお金の物語を書かれました。
「月収」(中央公論新社)
めちゃくちゃダイレクトなタイトルですが、月収4万円の66歳、月収8万円の31歳、月10万円投資の29歳、月収100万円の26歳、月収300万円の52歳、月収17万円の22歳、6人の女性たちを描いています。

「三千円の使いかた」と一緒に読んで欲しいと帯には書かれていますが、あの4人の女系家族の節約物語が生活の中でお金を考える基本なのですね。
「月収」は、そこからさらにもう一歩飛んでいるお話しです。
それぞれ異なった環境の女性たち6人のお話しが書かれているのですが、その女性たちがさりげなく重なっていくというとてもうまい構成になっており、お金の使いかた、殖やし方、稼ぎ方に「なるほど!」とうなづきながら、それぞれの生きかたの変化に、人としてあるべき姿を魅せられます。
お金のお話しなのですが、人として何が大事なのか、お金は人生においてどう活かすべきなのか・・・。
最近、作品の「切り口」にこだわっている私としては、いつもながら原田さんの手腕の脱帽です。

脚本家船橋和郎さんは「うまい人のシナリオを読んでなるほどこうやるのかと頷くことが勉強です」とおっしゃっています。
原田ひ香さんの本を、黒岩勉さんの脚本を、読まれたらどなたも頷いてしまうことでしょう。

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