シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。東京はまさに秋です。高い青空が広がって、吹く風もひんやり。
また暑さはぶり返すようですが、確実に秋はそこまできています。
秋は、おわかりですね。コンクールシーズン。シナリオのコンクールも山ほどありますから、これぞ!と思う作品を書いて、どんどん応募して欲しいものです。
昨日は、「青年海外協力隊創設50周年記念映画シナリオコンテスト」の主催をされている青年海外協力協会の吉岡理事と体験者であり担当の河津さん、益永さんのお三方がおいでくださって、青年海外協力隊とはどういうものかなどのお話をしてくださいました。
発展途上国で、大変な思いをしながら頑張られるには、どんな動機がおありになるのだろうと思っていました。
「表参道を歩いていたら、おばあさんがころんだ。そのとき助け起こしますよね。それと同じです。」とお三方はおっしゃいます。
大上段に構えているのではなく、誰かが困っていたら手を差し伸べる、それと同じだといわれるのです。ちょっと拍子抜け。もっと色々な高邁な思いや考え、事情、事件をおもちかと・・・(笑)
青年海外協力隊は、20歳から39歳の青年男女で、英語の能力(英検3級以上)と手に技術を持っている人ならどなたでも応募できます。大事なのは「健康・情熱・技術」なのだそうです。
もちろん、試験があります。受かると2ヵ月の研修があり、その後派遣先で2年間従事します。年間1000人以上の方が世界中の発展途上国へ派遣されています。
日本の青年海外協力隊は、手に技術を持っていることが資格のひとつですが、他国はそうではなく開発途上国に協力したい人ならいいそうです。
びっくりしたのは、派遣先では「なにをやる」と決まっているわけでもなく、協力隊といっても集団で動くわけでもなく、個人で現地に入り、現地の駐在調整員に話を聴きて、自分で活動するのだそうです。
お話いただいたお一人の益永さんは、とてもかわいいお嬢さんでした。
セネガルで村落開発普及員をされたのですが、自分で村の中へ入っていって、村人とともに魚の皮むきをしたりしながら、自分のできることを探したそうです。彼女は、伝染病を防ぐために「手洗いの歌」を普及させ、喜ばれました。
等身大の自分で勝負できるのが青年海外協力隊なのだそうです。
日本の青年海外協力隊は、世界中で一番喜ばれている協力隊なのだとか。上から目線で指示だけをするのではなく、自らが現地の中へ入って、手を携えて技術を教えるからだそうです。日本人ならではの性格でしょうか。
私にとってはまったく知らない世界なので、面白くお話を聴きしました。
どういう切り口でドラマを作るかは作者の視点にかかっています。
先日24時間テレビの中で放映された「今日の日はさようなら」は、出身ライターの橋部敦子さん脚本ですが、今までのお涙頂だいの難病モノとはまったく違っており、大変評判がよかったのです。さすがだと思いました。これこそが、橋部さんの視点です。
脚本家の視点こそが、ドラマを面白くもつまらなくもします。昨日聴講された方々も目先の話にとらわれずに、しっかりと本質の中からご自分の視点で、たくさんの人に感動を与える作品を作ってください。