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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

「拾う」技術

シナリオ・センター代表の小林です。雷、突風、竜巻・・・今日もあちらこちらで大荒れ状態だったようです。
自然災害も人間が作ってしまった・・・文明の発達というのは、破壊の道を進むようにできているのでしょうか。
歴史に学ぶと、またまた特定秘密保持法案の怖さに、背筋が凍るようです。 

 犬

昨日は、出身ライターの川上徹也さんの講義がありました。
「あなたのシナリオのスキルを出版に活かそう講座」です。
出版というと今までは、小説でした。
今回は、ビジネス書、実用書にシナリオのスキルを活かすというものです。
なるほど!と思いました。
例えば、ペットロスを乗り越えてもらいたいための本。
「犬から聞いた素敵な話 涙溢れる14の物語」30万部超えの大ベストセラーです。
犬に取材したわけではないけれど、様々な実話をフィクションにして、ペットロスの人が泣きながら、心穏やかになり、悲しみを癒すことができるようになる実用書(という言い方か?)になるわけです。この本は、初版5500部ですが30万部のベストセラーになったわけです。
こういう本は、特にシナリオスキルを活かせますね。
もちろん、ビジネス書だってドラマチックな方がいい、またシナリオスキルの書くと、きちんと構成ができて、わかりやすく落とし込みができます。
講座では、その場で受講生が企画を立てて、お互いに共有しあい、川上さんへ提出しました。
「一億人のシナリオ。」プロジェクトをやっている私にとって、シナリオをツールにしてできることはいっぱい持っているつもりなのですが、シナリオスキルをビジネス書にこんなにうまく使えるものだというのは、目からウロコでした。
人の話は、聞いてみるものです。

 アンケートなどをみると、どの講座でも9割方「為になった」と喜んでいただけますが、必ず「為にならなかった」「前にも聞いた話だった」「知っていることだった」とおっしゃる方がいます。
とても残念だなあと思います。
私も、若いときは、色々なものを受講しても、習っても、ちっとも学べない、上達しない・・・途中で嫌になる。それは、教える側が無能だからだと思っていました。常に斜めに構えていました。 

ある歳になってから、他人の話を聞くということの意味に気がつきました。
有名な方のお話を聞くと、前にもお聴きした話だったり、本に書いてあることだったりします。
シナリオ・センターでシナリオの極意を語るとしたら、「シナリオとは変化である」どの講師もどの出身ライターも語り口は違っても、同じことを言うはずでしょう?(笑)

 先日、教育改革実践家藤原和博さんのお話を伺ったのですが、前にもお聴きした話もありましたし、本に書かれているお話もありました。
骨子が同じなのは当たり前のことです。でなければおかしい。ぶれたことになります。(笑)
そこに何を読み取るか、聞き取るかは、受け手の問題ではないでしょうか。
教育改革実践家という肩書きも新鮮でしたが、ずーっと「ものごとに正解はない」と言い続けている私にとって、藤原さんも同じことを違う形でおっしゃっているので、自分のしていることへの確認にもなり、違う切り口で大きなひらめきをいただきました。

他人の話を聞くというのは、お話から学ぶことはもちろんですが、「?」と思ったことや骨子を自分自身の中に取り込み、咀嚼することなのではないでしょうか。
「拾う」というのか、咀嚼し、自分の持っているものと融合するというのかなあ・・・私は、どんな方のお話でもプラスにならないお話はないと思えるようになりました。 

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