シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。強い寒気に日本中が冷え込んでいるようです。
先週今週は、最終回を迎えるドラマが軒並みでした。
昨日は、「八重の桜」と「安堂ロイド」の最終回を見ました。
山本むつみさん、西荻弓絵さんお疲れ様でした。
どちらも、視聴率的に色々なことを言われたドラマでした。(笑)
ですが、どちらのドラマも、今の時代を危惧しての、人としての生き方を考えさせらたドラマでした。
「八重の桜」のお話は、災害だけでなく原発まで背負わされている今の福島です。
お上に捨てられ、家族を殺され、国を追われ、すべてを失っても尚、どんなことが起きても、頑張り続ける・・・時代が変っただけで、まったく今と変らない・・・日本政府はわかっているのでしょうか。
最後に八重が、徳富蘇峰にいうセリフは、まさに今のマスコミ、政府に向かって言っているようでした。
「国家のためです」と強硬論を言う蘇峰に「襄も愛国者でした。でも襄が愛する愛国心はそこに暮らす人間一人一人のことです。」
お上にはこの声が届くでしょうか。
「力は未来を切り拓くためにつかわなくてはならない」のです。
どんなときでも、いやこんな時代だからこそ、自分の頭で考え、心で思い、想像していかなくてはならないのです。
「安堂ロイド」も、キムタク人気の翳りばかりを煽られて終ってしまいましたけれど、ドラマとしては面白くできていたと思います。
お上は自分たち以外の人間を未来に売ってしまっていたんですね。
最強アンドロイドが言います。「自分たちで制御できなくなるものを作って、人間って、馬鹿じゃない!」って。
これって、原発のこと?現実にありうるから怖い。
100年先から愛する人を守りに来るアンドロイド。ここだけが本当になって欲しい。キムタクじゃなくてもいいので。(笑)
1月の連続ドラマは、どんなメッセージを届けてくれるでしょうか。
今から楽しみです。
映画は、現在「すべては君に逢えたから」(橋部敦子さん)、「かぐや姫の物語」(坂口理子さん)、「武士の献立」(柏田道夫さん)、「劇場版SPEC~結~漸ノ篇・夰ノ篇」(西荻弓絵さん)、「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE」(前川淳さん)が上映中です。
ドラマとは人間を描くこと・・・とことん、あなた自身が、自分の目で見、耳で聞き、舌で味わい、鼻でかぎまわり、肌で感じた人々を描いてください。
来年が素敵なシナリオが書けますように。