シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。雪で流れてしまったメンタル講座も今日は行われます。よかった。
富士山河口湖映画祭も、4月5月をめどに開催すべく動いていらっしゃるようです。せっかく富士山の日(2月23日)が日曜日だったのに、出鼻をくじかれた感じですけれど、春の河口湖もすてきなので、そちらも楽しみにしましょう。
昨日の浅田真央ちゃんのスケーティングは、世界中の人を感動させたようで、栄冠はとれなくても、気持のよい言葉が溢れていて、よかったなあと思います。
私は、転んでしまう選手を見るたびに、自分の体が転んだ感じの浮遊感に襲われました。(笑)イテ!!
栄冠を勝ち得た人には、感動秘話を含め賞賛の嵐になりますが、かたや下位の成績しかとれなかった人には、ブーイングの嵐、税金泥棒だの汚い言葉を投げつける人がいます。
人それぞれ考え方はあり、もちろん税金泥棒という考え方もあっていいと思うのですが、選手はどんな成績にしろオリンピックを目指してがんばってきたわけですし、誰も下位でいいと思っていないし、一番悔しいのはご本人でしょう。その思いは想像してほしいと思うのです。
「私が選手だったら下位になるのがわかっていたら遠慮するわ」
「メダルには届かなくても、次代へつなぐために意味があるのよ」
「オリンピックは参加することに意義があるんだ」
「力のない者にお金を出すなんてムダづかい!」
様々な意見はあると思います。どれが正解ということではないわけですが、他人に対しての想像力が大きければ大きいほど、人間性も深くなる気がします。
森元首相の「真央ちゃんは大事なところで転ぶくせがある」発言で、物議を醸していますが、全部の話をみると、「日本は無理して団体戦に参加せずに、個人戦からに参加させてやれば、失敗を引きづらないで、転ばずに済んだのでは」とおっしゃっているんですね。
私は、申し訳ないくらい森さんは好きではないので、全然弁護したいわけではないのですが(笑)、発言の一部だけと、全部とでは話の論旨が変わってしまうとてもいい例だと思いました。
マスコミもその一部だけを取って報道するのは、どうかと思いますが、森さんの発言もひどいですが、なにより伝え方がヘタです。「かわいそうなことをした。」とまず言うだけでだけで、ずいぶんと違いませんか。
真央ちゃんの責任をいっているわけではなく、やらせた方の反省と受け取れます。
セリフを書かれるとき、この一言をどこに持っていくか、どう言わせるかで、全く違う意味に感じられてしまうことを考えながら書いてください。
シナリオを書くときは、対立・葛藤が大事です。
主人公と対立する相手が正論であればあるほど、対立は大きく、葛藤は深くなります。
自分と違う考えをどれだけ理解するかが対立を作る時のポイントです。
自分の想いをより伝えるためには、相手の思い、考えを知り、分析し、その上で、どう伝えるかを考えます。
「まず敵を知れ!」でしょうか。