シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。旅行へ行った余波で曜日を間違えて、打ち合わせをすっぽかしそうになりました。
今月前半は旅週間でした。景色の良いところへ行くと、すっきりした気分になりますね。
天橋立の元伊勢籠神社、真名井神社はパワースポットだというので、もちろん行ってきました。これ以上元気でどうする!という声もありましたが、やはりパワーは大事。霊験あらたかなご神水もいただいて、シナリオ・センターの皆さんががんばれるようにパワーを授かってきました。
6月21日から、まったく違う傾向の、でもすごい共通項を持つ映画が2本公開されます。
「超高速!参勤交代」全国ロードショーです。
5日以内で福島から江戸へ参勤交代を命じられた弱小貧乏藩が、お上の無理難題に臨みます。
作家集団土橋章宏さん脚本です。
主役の佐々木蔵之介さんがテレビで、こんな面白い発想は初めてで、演じていてすごく楽しかったとおっしゃっていたのを拝見して、「土橋さんの脚本の力だ」と密かににんまりしました。
ともかく面白い。すっきりします。
もう一つは「あいときぼうのまち」
出身ライターの菅乃廣さんが、「福島第一原発事故は突然起きたのではない。長い負の歴史の積み重ねがあった」と訴えたくて、自らメガホンをとられました。
福島の石川町で、太平洋戦争中、原爆の材料にするウラン採掘がおこなわれていたのだそうです。ご存知でしたか。
この恐ろしい事実を踏まえて、ウランが採掘されていた1945年、福島原発の計画をめぐって双葉町の住民が二分した1966年、そして、津波に襲われ原発事故が起きた2011年の3つの時代を4世代にわたる家族を通して福島の住民たちの葛藤や怒り、希望を描いた映画を作りました。
菅乃監督は「ウラン採掘と原発政策は似ている部分が多い。どちらも詳しい情報を住民に知らせず、国が好きなように進めてきた。70年も前から原子力政策に翻弄され続けている福島の住民の姿を知ってほしい」と話しています。
この2本、ともに舞台は福島です。
いつだって、国は同じなんです。
「超高速!参勤交代」では、福島の貧乏藩の金山をわがものにしたくて、無理難題を幕府が押し付ける。
「あいときぼうのまち」では、自分たちの利益のために福島の住民に原発を、無理難題を押し付けている・・・全く変わらないのです。
図らずもこの2本の映画が同じ日に公開になります。
とどまるところを知らない国の横暴に翻弄されている現在、見ておきたい映画です。
シナリオ・センター代表 小林幸恵 著
|
||
シナリオ・センター 堀江史朗 著
|