シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。W杯、ドイツ優勝おめでとう!!
ブラジルはどこまでも気の毒な結果でした。
こうして、朝のイケイケの日々は終わりました。8月の全米オープンテニスまでゆっくり寝られます。(笑)
勝負は時の運という言葉はありますが、W杯を見ていたら、勝負は人の運もありかと思いました。
日本が初戦コートジボワールに負けたときも、後半ドログバができてきたら乱れて、ブラジルも、補欠だけでも最強のメンバーと言われていた一流選手ぞろいチームのはずなのに、ネイマールが怪我して出場できなくなったら、ガタガタと・・・。
スターだけの問題でもないのでしょうが、人間関係って、面白いものですね。なにがどうなるかわからない・・・この不可思議があるから人生が面白いのかも。
昨日、TBSの日曜劇場をみました。ドラマのTBSと呼ばれていた頃のTBSを髣髴させられた、人間を描いたすてきなドラマでした。
全10回、著名脚本家のオリジナルの競作です。
「おやじの背中」昨日の第1回は、我らが先輩岡田惠和さんでした。
うまい!本当にうまい。
「最後から2番目の恋」とは全く違う(どうしてこんなに違うものを創れるんですか、岡田さん!)しみじみとしたセリフのやりとり、回想の使い方、シャレードの使い方・・・もう!すべてシナリオの教材にしたいです。
シナリオ・センターでは初心者に封じている回想ですが、その回想の使い方がサイコーでした。
回想は両刃の剣。岡田さん自身もセンターの講座の中で、「初心者が下手に使うとドラマが面白くなくなるから、使わないで見せる方法を考えた方がいい」とお話してくださいました。
今回の回想は、こうやって使えば「回想は活きる」という見本のようなつくりでした。
主演は田村正和さんと松たか子さん。幼くして母を事故で亡くし、パニック障害になった娘と父のお互いを気遣う淡々としたお話なのですが、二人のお互いへの想いが胸に迫って、しみじみといいドラマでした。
視聴率もよく、好発進。やっぱりオリジナルはいいですよね。
来週は、坂元裕二さん脚本、役所広司、満島ひかりさん主演です。
私が嬉しいのは、この10作、すべてがオリジナルストーリーだということ。原作ものが伸している昨今、脚本家のすばらしさを、オリジナルの面白さを、視聴者の方々にわかっていただけたら、また脚本家の時代が戻ってくるのではないかとひそかに期待しています。
私は、「やっぱり猫が好きじゃない」けれど、「やっぱりオリジナル」が好き。
脚本家が一から構築していくものと、原作の五から構築していくのでは、創り方が違います。
脚本家の力は問われますが、だからこそ面白いものができると思うのです。ドラマ復活の鍵は、ここにあると思います。