シナリオ・センターの開講情報をお知らせします。ドラマや映画だけでなく小説、戯曲、漫画やアニメの講座の開講、コンクール対策講座もあります。
シナリオ・センターの新井です。
みなさん、習作のシナリオを書く時に、誰に向けて書いているのか考えていますか?
久々に祖父新井一が残したシナリオ作法『シナリオ虎の巻』を読み返していて「おっ」と思いました。
みなさんの創作のお役にたてばと思い、シェアしたいと思います。
この考え、シナリオや小説はもちろん、企画書やプレゼン資料を作るヒントになりそうです。
**『シナリオ虎の巻』より**
シナリオ作家は2000万人の人に見せて、いいと思うかな、わかるかな、ということを考えて、企画し、書かなければならないのです。素人と、玄人の違いは、その考えをもって書いているかいないかのちがいです。
ひとりよがりというのは申すまでもなく、自分のことしか考えていません。(中略)
シナリオの技術というものは、すべて、観客に対して、どうわかってもらうか、感動してもらうかということからいろいろと考えられたものです。ですから、客に対する気くばりのない人は、技術はうまくなりません。
主婦に見せるのか、児童に見せるのか、一般の人に見せるのか、その対象を決めることが、気くばりの第一歩となります。
まず的を決めなければ、矢の放ちようがありません。
懸賞の時でも、またゼミの作品の時でも、「これ何の番組にするの」ときいても「さぁ」という答えです。同じ二時間番組といっても、各局はすべて特徴がありますし、それこそ放送局への(ひいては視聴者への)気くばりをする必要があるのです。
新井一『シナリオ虎の巻』(p18 言視社)より
『シナリオの基礎技術』のなかにも、どんなにえらい作家でも自分の作品を客観的に見ることは難しいと書かれています。だからこそ、習作のころから第三者の目で自分の作品を見る癖をつけなくてはいけないのだと思います。
客観的に作品を見るというのは、当たり前な気もしますが、実践するのはなかなか難しい。
そこで、一歩目として「誰に向けて書くのか」から意識してみてはいかがでしょうか。