シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。残念無念!錦織選手準優勝で終わりました。
ご本人も悔しいとコメントしていましたが、決勝まで来たこと自体が、日本人として初めてのこと。素晴らしいことです。
この経験が次の偉業へとステップさせてくれるでしょう。
昨日の日本経済新聞に「ドラマ脚本家、小説デビュー」というタイトルで、「テレビドラマで注目された脚本家が小説執筆に乗り出すケースが増えている。発表した小説を再びドラマの脚本に仕立てる活躍が目立つ」という内容の記事が出ていました。
脚本家が、出版社から新しい小説家として注目され、期待されているということ。
木皿泉さんが書かれた「昨夜のカレー、明日のパン」(河出書房新社刊)という小説が、NHKプレミアムでドラマ化され、脚本も木皿泉さんが書かれていることをあげて、原作者であり、脚本家としてドラマも書けるということ・・・原作者自身が映画やドラマの脚本をてがけるという新しい現象が起きているという記事でした。
本当に、最近多くなりました。
でも、07年に岡田惠和さんがご自分の小説「天国で待ってくれる」をご自分の脚本で映画化されていますし、最近では土橋章宏さんの「超高速!参勤交代」(講談社刊)もそうですね。
テレビはまさに「TBS講談社ドラマ原作大賞」。小説「猫弁」を原作に、大山淳子さんがドラマを描かれ、シリーズ化されています。
なので、シナリオ・センターでは、さほど驚きはしませんでしたが、「脚本家兼小説家」という職業ジャンルができそうな勢いが、なんだかすごく嬉しいです。
新人が原作本として売れるようにと、リンダパブリッシャーズさんと組んで、小説をここ数年前から出版したりしています。こちらも今やどんどんベストセラーになっています。
出身ライターのあべ美佳さんがいらっしゃいました。
あべさんの故郷山形で、昭和の初めから無医村で僻地医療に一生を捧げた志田周子さんの姿に感銘し、志田さんの映画を製作するために、長いこと動かれていらしたのですが、ようやくその思いが実って、映画化が決定しました。おめでとうございます。
あべさんは、山形のみならず全国の人へ僻地医療に一生を捧げた女医さんのことを知ってもらいたいと、現在、映画化の動きと共に、このお話を全国保険医団体連合の新聞に連載小説を書かれています。来年5月には単行本化されます。
小説と脚本、あべさんも「小説家&脚本家」という新たなジャンルで活躍されているのです。
あべさんが描きたい志田周子さんという方は、歌人でもあり、没後、遺徳を偲ぶ人々によって『志田周子歌集』が刊行され、彼女が守り抜いてきた大井沢小学校地区を一望する台地に歌碑が建てられています。
「西山にオリオン星座かかるをみつつ患家に急ぐ雪路を踏みて」
あべさんが、どのように小説で、脚本で、彼女の生涯を描かれていくのか、楽しみです。