シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。秋晴れが続きます。
昨日の朝日新聞の「著者に会いたい」で、「幕末まらそん侍」の著者土橋章宏さんがインタビューを受けていました。
「平凡だけど悩みを抱える人々の感情を書いていきたい。また、『地方の名君あり』で、地方地方に面白い題材が眠っている。掘り起こすのも楽しいですね」と語っていらっしゃいました。
ネタは、どこにでもあります。ちょっと視点を変えると、誰もが思いつかない幕末のマラソンが描けるのですね。
秋の夜長を楽しむ本、第二弾をご紹介します。
出身ライターの鷹井伶さんの「廓同心 雷平八郎(二)雷神のごとし」(KADOKAWA刊)
滅法面白い時代小説です。
この「廓同心 雷平八郎」はシリーズです。
主役の雷平八郎のキャラクターがすばらしいんですね。
180センチ以上あるまるで仁王か雷神のようないかつい面構えの武骨者。剣術の腕は超一流。強面ゆえに女にはもてず、子供には泣かれる。
外見とは全く違う優しい性格で、正義感は強いのだが、母一人子一人のゆえに気丈な母親に弱く、女性恐怖症になっているようです。
そんな平八郎が、女に囲まれる廓の同心になぜかされて、吉原勤め・・・とお話が始まります。
「廓同心 雷平八郎(一)百花乱れる」では、廓を舞台に幕府を揺るがす大事件が起きます。内容を言うと面白くないので申しませんが、(二)では、黒幕との対決、まさに雷平八郎が雷神のごとく活躍します。
同心にも色々な役割があるのだとこの小説で初めて知りました。
是非、秋の夜長にお楽しみください。
土橋さんの時代小説も、鷹井伶さんの時代小説も、悲しいかな、でてくるお上って今と変わらないんです。
お上のDNAって脈々とあるんだと、小説の内容とは別になんだか悲しく笑えます。(笑)
明日は、122期シナリオ作家養成講座の説明会です。
小説もたくさん紹介させていただいていますが、シナリオの基本を学べば、このようにシナリオはもちろんのこと、小説にも、アニメにも、芝居にも、オーディオドラマにも、漫画原作にも、ゲームシナリオにも、オーディオドラマにも様々に応用が効きます。
122期は、小説も脚本も手掛けている柏田道夫が講師です。映画「武士の家計簿」「武士の献立」の脚本も執筆しています。土橋章宏さんのクラスの担任でもあります。
基本をしっかりと学ぶことで、様々なジャンルへの世界が拓けていきます。
創作に興味のなる方、一度足を運んでみてください。お待ちしています。
明日は、私小林と柏田でお話をさせていただきます。