シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。御嶽山が突然噴火し、亡くなられた方も・・・。自然は侮れないと思い知らされる毎日です。
今日は、シナリオ作家養成講座の講師会でした。
来年で45周年を迎えるシナリオ・センターですが、「常に基本は変わらない」と言い続けていますが、「基本」は一緒ですが昔のままではありません。
日進月歩、毎日進化し続けているんです。
これって、実は創設者新井一のDNAなんです。
新井一という人は、恐ろしく革新的な人で、常に新しいことを求めているというか、ひたすら前向きでした。
後ろを振り向かないで、どんどん先頭を切っていってしまうので、気がつくとだーれも一緒に走っていない・・・「織田信長の気分だね」とよく笑っていましたが、簡単に言うとついていけない。(笑)
これでいいのか、これでいいのかと自問自答しながら、受講生の作品からプロの作品まで分析し、研究し、シナリオを教え、亡くなる日まで原稿を書いていました。
私が一番すごいというか、怖いと思ったことは、「なぜ、全員がプロになれないのだ。教え方がまずいに違いない」といいだしたことです。
新井の理論でいけば、100人中100人がプロになれる技術を教えているのだから、全員をプロにできないことがおかしい。それは教え方に問題があるに違いないというのですね。
どうしたら、一人も落ちこぼれさせずに脚本家を育てられるのか・・・ゴルフなどのスポーツものから哲学書まであらゆるジャンルのノウハウ本を研究し、どう伝えればいいのか、どう見せればわかってもらえるのか、教えるということにかぎってではなく、シナリオそのものにも、どうやったら魅力がつくのか、面白くみせられるのか、常に考え続けた人でした。
たぶん本人は、まだ天国で考え続けていることでしょう。
私たちのやっていることをイライラしながらみているかもしれません。
新井が言った時、私は、思いました。3000名もの受講生をプロに、そりゃあ、いくらなんでも無理でしょう。シナリオのイロハを教えただけでみんなプロになれたら、日本中シナリオライターだらけになっちゃうよ・・・と。あれ、でも気がついたら、今行っている「一億人のシナリオプロジェクト」は、新井のノウハウの踏襲です。みんなプロにしちゃえばいいんだ。そうすれば、みんなちゃんと思い、考え、伝える力を持つことができるのですから。
人間としてのプロ、シナリオライターとしてのプロ、どんどん誕生してください。
さて、今日の講師会ですが、122期シナリオ作家養成講座のカリキュラムに新たな方法論をプラスしました。
新井のDNAが、講師たちに考えさせた新たな試み。
いいと思ったことは、すぐにやってみましょう。
そう、1歩前へ。いつだって足を止めちゃいられない。
122期シナリオ作家養成講座を受講される皆さん、楽しみにしてください。