シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。映画の営業成績を拝見していたら、土橋さんの「超高速!参勤交代」の興行収入現在で15億3千万円と大ヒット。しかも、自社企画路線がヒットということもあって松竹さんが大喜びされているとか。
土橋さんご自身も、今や大忙しの毎日で、頑張り続けたことはちゃんとこうして認められるのだと、土橋さんの努力の日々を目の当たりに拝見していただけに、本当に嬉しく思っています。これは、センタースタッフ全員の思いでもあります。
土橋さんが頑張り続けてきた結果を嬉しく思いながら、本屋へ行ったら、東宝の川村元気プロデューサーが「仕事。」という本を出されていました。
川村プロデューサーは、「電車男」「告白」「モテキ」など数々のヒット映画を創りだした35歳の若手プロデューサー。
その企画力は、今日本で一番といえるかもしれません。
しかも、映画の企画だけに飽き足らず、初めて書かれた小説「世界から猫が消えたら」は70万部を超えるベストセラーに。
この「仕事。」以外にも第2作目の小説「億男」も絵本も出版。また絵本の「ティニー ふうせんいぬものがたり」はアニメにと、飛ぶ鳥を落とす勢いの怖いものなしの方に見えます。
そんな川村プロデューサーが、「大人になってからのほとんどの時間。つまり生きているほとんどの時間、僕らは仕事をしている。だとしたら、僕は金のためではなく、人生を楽しくするために仕事をしたいと思う。心から『仕事をしたいです』と叫びたい。そんな仕事を僕は『仕事』ではなく『仕事。』と呼びたい。それが『仕事。』だ。」
とはいえ、その「仕事。」をするには、悩み、つまずき、ストレスにさらされる、変わる勇気も持てない・・・そう簡単にはいかないものです。
そこで、「仕事。」で世界を面白くしてきた巨匠たちに、「私と同じ年の頃、何をしていましたか?」と12人の最前線で働いてきた巨匠の方々にインタビューされました。
さすがに選ばれた12人の巨匠のお話は、それぞれ面白い。そして、誰もが最初から巨匠ではないわけで、その含蓄あるもがき方や考え方、来し方は、私たちの「仕事。」へ大きな示唆を与えてくれます。
川村プロデューサーのインタビューの持っていき方もすごいけれど、やはり一つの時代を作り上げてきた方々の一家言は、心に沁みます。
「慎重に、間違っちゃいけないと思って選んだ道でも、人間は間違えてしまうもの。だから、間違った道を行っても、戻ってくる力さえ磨いておけばいい」という、また時間がないという話に「寝なきゃいい」という秋元康さんの言葉が私には響きました。今まで秋元さんって、あまりいいイメージではなかったのですが(笑)
川村プロデューサーがいい仕事をされる力は、他人の話をちゃんと聴く力を持っていらっしゃるからだと思いました。
「仕事」でなく『仕事。』をしたいという想いは、シナリオ・センターの「一億人のシナリオ。」プロジェクトと同じだなあと、ちょっと嬉しい私です。