シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今日は、事務局中みんな深いため息です。選挙結果にがっかりしているからです。
投票率が、52%ちょっと、戦後最低の投票率とはいったいどういうことでしょう。
あんなに「投票しましょう」と一般の方から呼びかけられたのは、初めてだったので、これだけみんなが危機感を持っているなら投票率は上がるに違いないと思っていましたが・・・。私の周りだけだったのでしょうか。
私は、今回の選挙では「命」をキーワードにして選びました。
選びたい人も党もないというのが一番の問題ではありましたが、それでも自分なりの声をあげなくてはいけないと思ったからです。
今回の投票率の低さを知って、新井一が、自分が戦争にNOと言えなかった、日本人が流されてしまった無念を想い、一億総シナリオライター化を目指さなくてはいけないと思った気持ちが、私自身にもよくわかりました。
想像力、創造力をもっと持ってもらわなくては。
シナリオを書くことで、自分の想いを、考えをしっかり持ち、表現すること・・・日本中の人に広めていきたいと強く強く思いました。
まったく趣の違う素敵な本を2冊ご紹介します。
ひとつは、出身ライターの村上桃子さんが出版されました。
「キスまではトモダチですから」(リンダパブリッシャーズ刊)
キスにまつわる7人の年代も環境も違う女性のストーリー。一見オムニバス風なのですが、実はつながっています。編集者の香織から始まって、専業主婦、女優、バツイチ子持ち主婦、女子高生、旅行会社勤務OL、大学4年生、そして最初の香織にもどります。
それぞれの女性のキス体験、気持ちが痛いほど感じられる、どの年代にも共感を覚えて心ときめく、楽しいお話です。
エッチは面倒、でも、キスはしたい・・・友達以上恋人未満。だって、キスまでは友達ですから。
いいと思います。(笑)
もうひとつは、「緑子MIDORI-KO」などで世界的に有名なアニメーション作家で武蔵野美術大学教授のセンター出身の黒坂圭太さんが、初めて挿絵を描かれました。
20世紀のチェコ文学を代表する詩人ヴィーチェスラフ・ネズヴァルの幻想小説「少女ヴァレリエと不思議な1週間」(風濤社刊)です。
鞭打ち、不老長寿、魔術、異端審問、双子のロマンス・・・欲望と背徳の1週間を描いた幻想的な小説の挿絵は、まさにぴったりです。
この挿絵パネル展を池袋のジュンク堂書店3階で12月30日まで行っています。
本を読まれるのもよし、挿絵を観に行かれるのもよし・・・黒坂ワールドをご堪能ください。
やはり表現することは素敵です。
多くの人が閉鎖的な気分のなっている今こそ、表現することの大切さをお伝えしていけたらと思います。