シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。なんという天気でしょう。
名古屋で積雪23センチとか。びっくりですね。ちょうど、センターの新井が、某住宅メーカーの企業研修にお伺いしているので、みんなで心配していました。
今朝9時からの研修だったので、大事を取って昨晩に前のりしていて、本当に良かった。そうでなければ、研修ができないところでした。
これから、あちこちでまさかのアクシデントが起きそうですね。
わあ~あ!!昨夜、新聞を開いたら、ジェームス三木さんのお写真が目に飛び込んできました。やっぱり、三木さんはインパクトがすごい。(笑)
ジェームス三木さんが長年常に先頭に立ち続けておられるすごさのわけがわかりました。さすがです。
選挙の振り返りのインタビュー記事なのですが、作家としての姿勢をお話されているので、今年の先輩からの大事な提言として、ちょっと抜粋させていただこうと思います。
「私は戦前、中国・奉天市で生まれ、命からがら日本に引き揚げてきました。そのとき、国家も、軍隊もいざというときに国民を絶対に守ってくれないと、実感しました。何事にもうたぐり深くなったのはその影響です。今の日本人は、うたぐるということに、無力感を持っているのではないかと思います。うたぐることは考えることです。「どうせ政治家なんてそんなもの」として考えない。それは間違っています。(略)
私には社会的な作品が多い?確かに、憲法、朝鮮半島、原発などをテーマにしたものも多いです。だけど、そういった問題を表現したくて脚本や演出を始めたわけではありません。大河ドラマなどの脚本を必死に作る中で、大切なものが見えてきた。いや見ざるを得なくなった。
現憲法をアメリカの押しつけだという人がいるけれど、民主主義だって基本的人権だってみんな、元は外国からの押しつけ。
九条のもと70年近く日本は戦闘で人を殺していない。いいものを押しつけられて何の問題があるんですか?
こういう発言をすることは、何のメリットもありません。放送局が問題だと思えば、放映が取りやめになるかもしれない。そうすると出演者などの多くの人に影響します。怖いですよ。でも、私はものを言えないような社会は民主主義の中でおかしいと思うから言い続けます。
人は誰もが歴史の中継ランナーです。次の世代にバトンを渡さないといけない。でも、汚れたバトンは渡したくない。人生の幸せは豊かさではなく、充実だと思っています。だから楽しめ、希望を与える作品を作っていきたい。
政治家の役割も同じです。国民も無関心になったり、絶望してはいけない。」
作家としても人としても、素晴らしい先輩だと思います。
三木さんの視点は、常に人を考えさせてくれます。
うたぐること=考えること・・・そうですよね、そこが出発点ですよね。
私たちの創作の糸口も、こういうことってあるの?これでいいの?とうたぐる。これは他の視点で見直すということですから。
先輩、今年一年お世話になりました。来年も、引っ張っていってください。