シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。冷たい雨です。まだ2月なんだということを身体で知らされました。春遠からじ・・・風邪ひきそう。
今日は、出身ライターの鷹井伶さんがまたまた新刊を持っていらしてくださいました。
その前にもう1冊ご紹介したい本があるので、今夜はそちらを読もうと思います。
鷹井伶さんのご本は3月発売なので、今週末に読んでご紹介します。
みなさんが、たくさん書かれるのでご紹介も大忙し。ご紹介するには、まず読まなければいけないので、さすがの早読みの私でもなかなか追いつきません。(笑)嬉しいことですが。
昨夜、読ませていただきました。
出身ライター東京かれんさんの文庫書下ろし「天宮凜子のワケあり物件」(TO文庫刊)
アラサー、彼氏なしの主人公天宮凜子は、池袋のはずれにある小さな不動産さんの女社長さん。
大手商社を辞めて、父親の経営している倒産目前の不動産屋「晴レ晴レ住宅」を「西池エステート」と名称を変え、事故などのワケあり物件を扱い始めます。
毎日、昔ながらのやり方をする父親とけんかをしながら、数々の秘策を武器に、経営危機を打開すべき頑張っている凜子の恋と仕事のお話です。
ワケあり物件とは、事故や、自殺や心中などを起した物件。
すすり泣きの聞こえる心中をした高級マンションの一室も、部屋をおい出され無職の、全然幽霊が見えない福田君をいれることで、きれいにロンダリング。死体置き場を幽霊屋敷にして転売などアイデアで切り抜けていくのですが・・・思いがけないラストが待っています。
父娘の絆が衝撃と感動のラストをつくります。このドンデンが見事なのですが、ここは読んでのお楽しみ。(笑)
ワケあり物件のお話は、センター出身の小説家原田ひ香さんも「東京ロンダリング」というタイトルで書かれています。
こちらは純文学で、ロンダリングをする女性の気持ちを描いて衝撃的でした。
東京かれんさんのお話は、エンタメ小説。ワケあり物件をきれいにするアイデアがものすごく面白く、そこに介在する人々と主人公凜子とのふれあいがやさしい気持ちにさせてくれます。
ちょっと心がとがっちゃったなあと思った夜に、読まれると心がほっこりしますよ。もちろん、元気な時でも、いつでもどこでも読んでいただいていいのですが。(笑)
明日は、作家集団の吉野翠さんのご本をご紹介したいと思います。