シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。もはや三月。弥生の月でございます。明日は雛祭り。昨日、新年が明けたと思っていたのに、なんと時のたつのは早い、超高速で進んでいきますね。
超高速もいいところです。土橋章宏さん!!
映画デビューをしたと思ったら、日本アカデミー賞最優秀脚本賞に輝きました。
「超高速!参勤交代」(松竹)で並みいる大御所を押しのけての受賞です。
これ以上めでたいことは、なかなかあるものではありません。
土橋さん!!本当に本当におめでとうございました。
土曜日は、大阪校での説明会でしたので、早速この嬉しいニュースからお話しさせていただきました。
日本アカデミー賞優秀脚本賞をいただいただけでも嬉しかったのに、さらにその上の最優秀賞を受賞された、シナリオ・センターにとってもこれ以上嬉しいことはありません。
説明会で、デビューしたばかりの脚本家土橋章宏さんが、「小さいおうち」の山田洋次監督、「永遠の0」の山崎貴さん、「紙の月」の早船歌江子さん、そして「ふしぎな岬の物語」の出身ライター加藤正人さんという綺羅星のような大御所の皆さんと競って、栄冠を勝ち得たのだとお話をしていたら、本当にすごいことだと胸に迫ってきて、ちょっと声になりませんでした。
その時に参加者の方に申し上げたのですが、どんな大ベテランとも大御所とも、筆の力があれば競える、勝てる、それが基礎が生み出した力なのだと。
超高速もいいところ、デビューした映画での受賞というのは超びっくりのことのように思えますが、実は土橋さんがきちんと今まで積み上げてきたものが開花されただけなのです。
「開花されただけ」というと語弊が悪いですが、土橋さんほどきちんと学ばれた方はいらっしゃいませんし、単行本を4冊出され、映画を書いた今でも、作家集団に在籍されていらっしゃるのです。
先日「映像も小説もどっちも美味しい欲ばり講座」で、土橋さんは、作家集団に今も通われることについて、自分の作品を客観的に色々な人が見てくれ、自分と違った考え方、見方などを知ることができるので、とても大事な場所だと話されていました。
大阪校でもお話したのですが、何よりも「基本の力」、これさえあれば百人力。色々なものに応用が効くし、ベテランとも対峙できるのですから。
「初心忘れるべからず」というのは、心のみならず、基本の力も入っているのだと思います。
また、土橋さんは、ミソ帳倶楽部やアドバンス講座などをよく聴講され、いろいろな方のお話に耳を傾けていらっしゃいます。
土橋さんの早書きでもクラスで有名ですが、脚本と小説の二刀流で高いレベルを維持していくのは大変なこと。
でも、常に前へ前へと目を向けていらっしゃること、客観的に物事を見ること、他人の話をよく聞かれることが、どんどん新たな発想を湧かせてくれるのでしょう。
土橋さんの快挙は、シナリオ・センターがコツコツと教え続けている「基本の力」「想像力」「創造力」を体現してくれました。
これからのご活躍がとても楽しみです。
本当におめでとうございます。そして、ありがとうございました。