シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今週末は桜が一番きれいかもですね。とはいえ、お日様はすっかり春めいた顔をされているのですが、夜になると侮れない、心してお花見に臨んでください。(笑)
今週は卒業式が多いですね。おめでとうございます。
卒業というと何を想像されるでしょうか。
ぱっと浮かぶのはもちろん学校の卒業ですね。
一つの業をおえること。という意味ですから、どんな業にするかによって、どんな形、なんにでも使えますね。
日本語というのは大変深くて、言葉の意味以外のものも色々な形で見えてきますね。
こんなところからドラマのヒントは生まれます。
例えば、最近話題になっている「八紘一宇」も言葉の意味だけなら、何の問題もありません。
ですが、どういう形でこれを使われてきたかということを知らないで使うと、問題になってしまうのですね。
もし、知って使っていたとしたら、もっと問題ですが。(怖)
過去、どのように「八紘一宇」という言葉が使われ、その結果どうなったのか・・・きちんと知って使わなくてはいけません。
言葉は人を動かす大きな力を持っています。ここから戦争が始まっているのですから。せりふひとつに、大きな意味が持たれることを心しておきたいものです。
昨今のようにきな臭い時代になってくると、想像力は平穏な時以上に必要になってきます。
創作する者にとって、想像することはなくてはならない力ですが、人としてもとても大事な要素だと思うのです。
最近とみに想像力がない方が増えているように思います。
こういったら、この人はどう感じるのか想うのか、ちょっと想像してみたら、使えない言葉、言えないせりふが見えるはずですが。
岡田惠和さんが、前に講義してくださった時にこうおっしゃっています。
「シナリオを書くとき、一番注意しなければならないのは、色々な人の気持ちになるということです。男性も女性の気持ちを考えなきゃならないし、47歳の男でも18歳の男の子の気持ち、65歳のおばさんの気持ちをわからなくてはいけない。取材すればいいということじゃなくて、書き手のわかろうとする意思がないと絶対わからないということです」
「想像力」が必要だということをおっしゃる方も増えていらして、それは色々な局面で「想像力」のなさを痛感されるからだろうと思うのです。
大きく想像していかなくては、大きな渦に流されてしまします。若い方々は特に、想像力を広げていただきたいです。
「なんで?」と考えるだけで、次へ想像することができますから、常に「なんで?」と幼い子供の頃を思い出して、???としてくださいね。
少なくとも、お上は想像力を駆使して「わかろうとする意思」をもって、沖縄に、福島に、東北被災地に、老人に、子供に、弱者たちに臨んでほしいと強く強く願います。
日本中の人のシナリを書いてもらいたい! 心の底から思う今日この頃です。