シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センターの小林です。あの3・11から2年を迎えます。
早いのか遅いのか・・・あの日から2年経ちました。ここ数日、メディアも記念の式典や特番で溢れています。
シナリオ・センターも、20枚シナリオ募金、いいね募金、窓口募金など今もささやかですが続けていますが、報道などを見るにつけ、風化していく日々に、被災地の方々が再び三度と傷ついていらっしゃるのかと思うと本当に忍びないです。
フランスやドイツでは、原発反対デモに2万人以上の人が集ったというのに、一番の当事者である日本は1万5千人と、昨年よりもはるかに減ったと報道されていました。
先日も「ミソ帳倶楽部 達人の根っこ」で石井光太さんと君塚良一さんに震災のお話を中心に講演していただきました。 「遺体」を書かれたノンフィクション作家の石井光太さんは、「傷から目をそらすことはできても、遺された方は傷が癒えることはない。見えない傷をたくさん持っている遺された人を抱えながら、私たちは前へ進んでいかなくてはならない。ずーっと癒えない傷を見つめていきたい。」
映画「遺体~明日への十日間~」を撮られた君塚良一監督は、「被災地の人はみんな疲れている。孤立していると感じている。日本人ひとりひとりの責任として思い続けていかなくてはいけない。この映画を創ったからには、私も関わり続けて生きたい。」被災地で、被災者の方々と関わってきた方だからこそ言える重い言葉だと思いました。
私のように、現場を知らない人間がたやすく言えることではありませんが、それでも想像力を駆使して、人を想いたいと願っています。
意識調査をすると、「風化している」と感じている人が6割近くいます。被災地の方が一番恐れていることは、「忘れられる」ことなんです。 「忘れること」は大事だけれど「忘れてはいけない」ことがあると糸井重里さんが、ほぼ日新聞の「今日のダーリン」でも強く訴えていらっしゃいました。人は忘れるようにできているから、「忘れない」仕掛けが大事だと。
被災地の人を精神的にも肉体的にも孤立させない仕掛けを作っていくこと、私たちになにができるか、ですね。
君塚監督が「ひとりひとりができることをやるしかない。それは個々が考えること。そのヒントとして、自分は作品を作っている。」とおっしゃっていましたが、自分の頭で、心で考えたいと思います。
シナリオ・センターは、様々な形で、ささやか支援ですが、復興が成ったといわれるときまで続けていきます。
「想像力は、人を想う心」