シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。センターの前の細い一方通行道路がガス管だか何かの工事で、通りにくくなっています。今月いっぱいくらいかかるようです。足元に気を付けておいでください。車は、入れませんのでご注意ください。
先日、山本周五郎賞を出身ライターの柚木麻子さんが「ナイルパーチの女子会」で受賞されたことをちらっとお話しました。
冠の山本周五郎の小説をお読みになればわかるように、山本周五郎賞は、優れた物語性を有する小説、文芸書に贈られる賞です。
第1回目に山田太一さんが「異人たちとの夏」で受賞されたことはいまだに記憶に新しいです。
今回も、湊かなえさんも候補にあがっていらっしゃいましたが、過去、池宮彰一郎さん、木皿泉さん、和田竜さん等も候補にあがっていらっしゃることを知るにつけ、物語、エンタテイメント性の高いものは、脚本家が強いのではないかと思われてなりません。
伊坂さんや重松さん、池井戸さんなど、この賞をおとりになった作品は、ドラマや映画の原作としてよく使われており、読んでいると場面が浮かんでくる、見えてくる小説だと思うのです。
柚木麻子さんの「ナイルパーチの女子会」は、今の若い女性たちの生き方を鋭く突いた作品でものすごく面白く痛いです。
なまけものを売りにしたブログを書く専業主婦、美人でやり手の商社ウーマン全く違った環境のふたりが、わかり合いたい気持ちがありながらわかり合えない、お互いがお互いをナイルパーチのように食い合っていくお話です。
心の奥底で誰でもが持つ孤独、自分を心底わかってほしい気持ちが伝わってきます。グイグイと心の奥底に入っていく小説です。
先日から放映のベストセラー「ランチのアッコちゃん」などとは、全く違った切り口で、びっくりさせられます。
そういえば、2013年に放映された李正姫さん脚本の「嘆きの美女」(NHKプレミアム)も柚木麻子さんの小説。お二人はセンター出身同志って、ご存知でしたのでしょうか。 (笑)
柚木さんは、直木賞候補に2回も上がっていて、これからもどんどん面白いお話を書かれていらっしゃることでしょう。
楽しみにしています。
脚本を学んで、また脚本家の方が、小説家になられることが本当に多いです。
シナリオの基本は、さまざまなドラマ作りの基本になります。